KPI(キー・パフォーマンス・インジケーター:重要評価指標)とは、経営やマーケティング効果を測定するために用いる指標であり、動画マーケティングにおいてもKPIを活用することでその効果を可視化して、施策を評価したり改善を加えていきます。
動画マーケティングは配信して終わりではなくむしろ始まりです。効果測定を確実に行い、成功要因を分析してノウハウとして蓄積したり、失敗要因を分析して改善点を見つけるといった継続的な取り組みが大切です。そのためにKPIが欠かせず、段階的に動画マーケティングの効果を高めていきます。
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今回は、この動画マーケティングのKPIについてその作成方法と活用方法についてご紹介します。
KPIを作るために3ステップ
ステップ1.マーケティングの目的を決める
動画マーケティングにおけるユーザーとのタッチポイント(接触機会)は多様です。たとえばSNSでの配信や企業WEBサイト内での動画配信、動画プラットフォームの広告やオンラインショッピングでの商品紹介など数え切れません。しかしいずれのタッチポイントでもユーザーに求める行動、つまり動画マーケティングの目的は「認知」「検討」「購入」のどれか一つでしょう。
認知は「商品やサービスについて知ってもらうこと」を中心に動画マーケティングを展開し、検討は「商品やサービスの価値を訴求する」動画が中心になります。購入では「ユーザーが具体的な検討ができるような」動画を配信するのが一般的です。目的はいくつかあってもよいのですが、できれば一つに絞った方が動画マーケティングのKPIを設定しやすいため、マーケティング効果も高くなります。
ステップ2.目的に沿ったKPIを設定する
動画マーケティングの目的が決まったらそれに沿ったKPIを作成していきます。KPIは何でもよいわけではありません。目的ごとに適切なKPIは決まっています。
たとえば、YouTubeなど動画プラットフォームで動画広告を配信する場合、それぞれの適切なKPIは次のようになります。
認知のKPI
視聴回数…動画広告をユーザーが視聴した回数
インプレッション…動画広告が画面上に表示された回数
ユニークユーザー…動画を視聴した人数
検討のKPI
視聴完了率…動画が30秒以上視聴された回数
再生時間…動画の総再生時間や平均再生時間
購入のKPI
クリック数…動画広告がクリックされた回数
問い合わせ数…動画広告を通じて受けた問い合わせ回数
会員登録数…動画広告を通じて得た会員登録数
売上…動画広告を通じて得た売上
このように目的によって適切なKPIが違うわけですが、必ずしもこれらのKPIに限定する必要はありません。あくまで動画広告を例に挙げたものなので、展開する動画マーケティングの種類によってKPIを変えることが大切です。
ステップ3.具体的な期間と数値を定める
KPIとはそもそも最終的な目標に対する道しるべのような役割を持つものです。
たとえば「3ヵ月で動画広告経由の売上を1.5倍にする」という最終目標があれば、1.5倍という売上拡大を実現するために何が必要かを考えてKPIを設定していきます。このとき、「1週間ごとの前週比を3%ずつ上げていく」や「月間クリック数を2倍に増やす」など具体的な期間と数値を用いることです。
そうすることで初めて「継続的に前週比3%増を達成するには何をすべきか?」というアクションが見えていきます。KPIは最終目標に対する指標でありつつ、今何をすべきかを考えるきっかけにもなるでしょう。
以上の3ステップで動画マーケティングのKPIを作成すれば、施策の効果測定が行え、継続的な改善に向けた取り組みが行えます。
アナリティクスなどツールはどんどん活用する
では、KPIを作成したあとクリック数や視聴回数を測定するにはどうすればよいのでしょうか?
その答えは解析ツールを利用することです。たとえばGoogleアナリティクスは無料で利用でき、かつWEBサイトのアクセス数を測定したりページごとの離脱率を算出することが可能です。WEBサイトに埋め込んだYouTube動画の解析もできるので、動画マーケティングに限らず全てのマーケティングにおいて基本となるツールです。
導入と利用には多少の専門スキルが必要ですが、そもそも高度なスキルを必要としないので非エンジニアでも使えます。
また、YouTubeで動画マーケティングを展開するのならばYouTubeアナリティクスを利用しましょう、YouTubeアカウントを開設すれば無料で利用できます。
GoogleアナリティクスやYouTubeアナリティクスといった無料ツールの他にも、Adobeアナリティクスなど有料でより高度な機能を備えているツールもあります。
また、専用の動画配信プラットフォームでは高度な動画分析機能がありますので、そのような動画配信プラットフォームを利用するのも良いでしょう。
どのツールを導入すればよいかは「どの程度まで動画マーケティングの効果を測定したいか」によって違います。「有料ツールだから何にでも活用できる」というわけでもなく、ツールごと特長があるので、その見極めも大切です。
迷ったときは動画マーケティングへ一緒に取り組むパートナー会社に相談するのもよいでしょう。
大切なのはPDCAサイクルを回すこと
KPIを設定して動画マーケティングを展開する上で大切なことは継続的にPDCAサイクルを回して施策効果を高めていくことです。PDCAサイクルとは「プラン(計画)」「ドゥ(実行)」「チェック(評価)」「アクト(改善)」のサイクルを回して、改善を繰り返していくことで施策効果を高めていくためのフレームワークです。日常的にビジネスに取り入れている方も多いこのPDCAサイクルが、KPI活用の成否を握ります。
KPIを設定したということはすでに施策を評価するための環境は整っています。後はマーケティング計画を立案して実行に移り、KPIに従って施策を評価して改善点を見つけます。その改善点を再度マーケティング計画に盛り込み、実行、評価、改善とサイクルを繰り返していくのです。
単純な理論でいえばこうしたPDCAサイクルを繰り返していくことで施策効果は高まっていきます。ちなみにPDCAサイクルによって継続的に物事が改善されていく様を「スパイラルアップ」といいます。
もちろん、改善を加えたからといって必ずしも施策効果が高まるわけではありません。KPIにまだ慣れていない最初のうちはPDCAサイクルを回しても施策に失敗するケースもあるでしょう。重要なのはPDCAサイクルを細かいスパンで回転させて、細かい改善を加えていくことです。そうして試行錯誤しながら軌道修正を行っていくことで、動画マーケティングの施策効果が徐々に高まっていきます。
KPIの設定し過ぎに注意
KPIは何個までという基準がありません。とある大企業では、経営戦略のために1,000以上のKPIを設定していたという事例もあります。しかし、多すぎるKPIは進捗が追えなくなってしまい結果として取り組みに失敗するというリスクがあります。そのため、KPIを設定する際は多すぎず、最初のうちは数個程度に抑えておくとよいでしょう。皆さんもこの機会に、動画マーケティングにKPIを取り入れてみてはいかがでしょうか?
効果の高い動画制作をしたい方はヒューマンセントリックスまでお問い合わせいただければ幸いです。
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