セミナーを録画しても、その後の活用に悩まれている方も多いのではないでしょうか?セミナー動画は、マーケティングや営業活動、社内教育など、さまざまな用途で長期的に活用できる貴重な資産です。本記事では、企業がセミナー動画を効果的に活用するための戦略と実践的なノウハウを解説します。「撮ったまま放置」にしないために、どのように活用して成果に結びつけていくか、課題から解決方法までを解説します。
セミナー動画とは?
セミナー動画とは、企業や団体が主催するセミナーや講演、説明会などの様子を、撮影・録画した映像コンテンツです。
近年のデジタル環境の進化により、ビデオカメラやスマートフォンなどで、簡単に撮影・編集できるようになりました。来場できなかったユーザー向けに、自社のWEBサイトに公開するだけでなく、マーケティングコンテンツとしての活用や社内教育コンテンツとしての利用など、その可能性は多岐にわたります。
【関連動画】 |
動画を制作するメリットに関して詳しくは「いまさら聞けない動画コンテンツのメリット」をご覧ください。 |
セミナー動画活用の課題と解決策
セミナー動画は、簡単に撮れるようになった反面、「どう活用すればいいのかわからない」という声も多く、効果的に活用できていないケースが多く見られます。例えば、以下の5つのような課題が挙げられます。
1.撮影した後、活用されないまま保管される
2.動画の長さに比例しては視聴率が低下する
3.撮影したものの、再利用しにくい映像となっている
4.部署間の連携不足による活用機会が損失している
5.編集スキルやリソースが不足している
ここでは、企業がセミナー動画を活かしきれない理由と解決策を紹介します。
1.撮影した後、活用されないまま保管される
「とりあえず記録として残しただけで、その後、どこにも使われていない」というケースは非常に多く、社内フォルダに眠っている動画がそのままお蔵入りになっていることも少なくありません。
【解決策】
・撮影前に「どのように活用するか」計画を立てる
・関係部署に協力を仰ぎ、事前に巻き込んでおくことでセミナー後の展開をスムーズに進める
2.動画の長さに比例して視聴率が低下する
セミナー動画は、60分以上の長尺になることが多く、視聴完了率が下がる傾向があります。 特に目的や構成が整理されていない動画は、「最初だけ見て離脱」されがちで、せっかくの情報が伝わらない状況を生み出しています。
【解決策】
・冒頭で「この動画で学べること」を明確に伝える
・重要ポイントをハイライトした短尺版も用意する
・動画に目次やチャプター機能を追加する
3.再利用しにくい映像となっている
登壇者やスライドが映っていない、余白の時間が長すぎるなど、「そのままでは使いにくい」動画になっていることもよくあります。 事前に活用を前提とした撮り方ができていないことが、後の展開を妨げる原因となっており、活用機会を逃してしまっています。
【解決策】
・登壇者とスライド両方が適切に映るアングルで撮影する
・スライドは、別途録画しておき、あとから編集で挿入できるようにする
・編集しやすいよう、区切りのいいポイントを予めメモしておく
4.部署間の連携不足で活用機会が損失している
セミナーを主催した部門で完結してしまい、他部署と連携されていないことも大きな課題です。 営業やリード獲得のコンテンツとして展開できる可能性があるのに、活用されずに終わっているケースが少なくありません。
【解決策】
・企画段階から営業・マーケティング部門を巻き込む
・セミナー内容を社内共有する仕組みを作る
・部門横断的な「コンテンツ活用会議」を設ける
5.編集スキルやリソースが不足している
セミナー動画の撮影や編集に必要なスキルやリソースが社内にないため、クオリティの高い動画が作れないという課題もあります。
【解決策】
・社内で簡易的な動画編集研修を実施する
・編集だけ外注するなど、部分的にプロの力を借りる
・簡単に使える動画編集ツールを導入する
セミナー動画を活用するメリット
セミナー動画は、録画して終わりにするのはもったいないほど、さまざまなチャネルや目的で展開しやすいコンテンツです。ここでは、実際の業務シーンに即した3つの活用メリットを紹介します。
1.マーケティング施策への展開(リード獲得・ナーチャリング)
セミナー動画は、一度収録すれば、複数の形式やチャネルに展開できる柔軟性が特長です。長尺版をそのまま公開するだけでなく、重要ポイントやテーマごとに短く再編集することで、様々な用途に活用できます。
セミナー動画を会員限定コンテンツや登録フォーム付きページに活用すれば、新たなリードの獲得につながります。また、視聴履歴に基づいて顧客の興味関心レベルを判断し、適切なフォローアップコンテンツをメールやSNSで配信するマーケティング施策にも効果的です。
【実践例】
・セミナーのダイジェスト版を公開し、ノーカット版は資料請求者限定にする
・視聴者の関心に合わせて、関連コンテンツをメールで自動配信する
・テーマごとに5分程度の短尺動画に再編集してYouTubeに公開する
・印象的な「名言」部分を切り出してSNS投稿に活用する
【関連動画】 |
Webサイトへ掲載する方法に関して詳しくは「ホームページに動画を掲載する方法とは?3つの方法とそれぞれの特徴を解説」をご覧ください。 |
2.営業支援としての資料化・活用
商談時に「セミナーの一部をご覧ください」と映像を提示することで、企業の専門知識や実績を視覚的に伝えることができます。特に、導入事例や技術紹介などのパートを適切に抜粋して見せることで、提案時の補完資料として営業現場でも活用できます。
【実践例】
・顧客の課題別に短い解説クリップを用意し、商談で活用する
・オンライン商談中に画面共有で関連セミナー映像を見せる
3.社内の教育・情報共有にも活用できる
セミナーで専門家が解説した内容やプレゼンテーション資料は、社内の研修やナレッジ共有にも使えるコンテンツとなります。特に専門性の高い内容や事例解説などは、新入社員教育や部門間の情報共有において効果的です。一度収録したセミナー動画は繰り返し利用できるため、社内研修を外注するコストをかけずに効率的に研修することができます。
【実践例】
・社内専門家による解説部分を抜粋し、新人研修に活用する
・社内ポータルサイトに、テーマ別にセミナー動画をアーカイブする
活用を前提としたセミナー動画の収録ポイント
セミナー動画を“あとから活用できる形”で収録するには、目的に応じた設計と事前準備が重要です。
ここでは、セミナーを録画・収録する際に意識したい実務的なポイントを6つ紹介します。
1. 活用したいアウトプットを明確にする
ダイジェスト動画、全編アーカイブ、営業資料用の抜粋、記事化の素材など、どのような形式でどこに使うかを事前に具体的に検討しましょう。 アウトプットのイメージが明確であれば、必要なカットや収録尺、撮影の優先順位も決められます。
2. 撮影方法を確認しておく
登壇者とスライドの両方を適切に映せる位置から撮影するのが基本です。
固定カメラで全体的な画を押さえ、必要に応じて登壇者を別撮りしておくと、編集時の自由度が高まります。
3. 撮影機材と設定を確認しておく
使用するカメラ(ビデオカメラ・一眼レフ・スマホなど)は、解像度や録画時間の制限、バッテリーの持ちなどに注意が必要です。
特に長尺のセミナーでは、予備のバッテリーや記録メディアも必須となります。
4. 音声は専用マイクでクリアに録音する
登壇者の声がしっかり届くことが最も重要です。会場のマイクとは別に、ピンマイクや高性能な集音マイクを用意することで、高品質な音声を収録できます。
5. 撮影オペレーションを明確にする
当日のスタッフ体制や担当業務を事前に決めておくと安心です。
三脚固定+必要最低限の操作に絞ることで、ミスの少ない収録が可能になります。
6. 投影中のスライドをメモしておき、編集で差し替える
セミナー中のスライドは、その場でうまく映らなくても問題ありません。 どのタイミングでどのスライドを表示したかを記録しておき、 あとから高解像度の静止画として差し替えることで、より見やすい動画に仕上げられます。
事例紹介|セミナー動画をWEBサイトや社内教育に活用
IT企業であるユーザックシステム株式会社様の「RPA/ビジネスカンファレンス2017セミナー動画」の事例です。セミナーの様子を撮影し、来場できなかった方々への共有を目的として制作されました。この動画では、登壇者のプレゼンテーションとスライドが組み合わされており、視聴者がセミナーの内容を臨場感を持って理解できる構成となっています。この動画はユーザック様のWebサイトで公開され、社内教育コンテンツとしても活用されました。
ユーザックシステム株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
セミナー動画は、編集次第でマーケティングから社内研修まで幅広く活用できる
セミナー動画は、単なる「記録」として保存するだけでなく活用次第で、マーケティング・営業・社内共有など、さまざまな場面で効果を発揮します。
さらに、Webマーケティングや社内教育に活用できる「価値あるコンテンツ資産」として活用することで、イベント自体の価値を何倍にも引き上げることが可能です。
当社では、セミナー動画の撮影編集だけでなく、その後の活用戦略までワンストップでサポートいたします。セミナー動画の活用効果を高めたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。
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