【企業向け】動画制作の種類とは?目的に合った選び方と効果的な活用事例を紹介
ビジネスにおける動画活用が増える現代において、「どの種類の動画を制作すればよいのか」という疑問を持つ担当者は少なくありません。自社の目的やターゲットに最適な動画の種類を選ぶことは、マーケティング成功の鍵を握ります。本記事では、動画制作の基本的な3つの種類から、目的別・用途別の詳細なジャンル分類まで、動画制作を検討されている方に、役立つ情報を解説します。
動画制作の基本となる3つの種類
動画制作は、大きく分けて、実写動画、アニメーション動画、ハイブリッド動画の3つに分類できます。それぞれ特徴、メリット・デメリットが異なるため、制作目的やターゲット層によって最適な選択が変わります。
1. 実写動画
実写動画は、実際の人物、商品、風景などを撮影して制作する動画です。
最大のメリットは、高い信頼性と説得力です。人の表情や声のトーン、商品の質感など、実際の映像ならではのリアルな情報により、視聴者の共感と安心感を効果的に獲得できます。特にBtoB企業では、代表者や従業員の顔が見えることで、取引相手としての信頼関係構築にも貢献します。
一方、デメリットとしては制作コストと時間がかかることです。撮影には機材、キャスト、ロケーション選定など事前準備が必要です。また、撮影後に修正する場合は基本的に撮り直しが必要になるため、企画段階で綿密に計画する必要があります。
2. アニメーション動画
アニメーション動画は、イラストやCGを用いて制作される動画です。
メリットは、会社や製品・サービスなど、複雑なものも内容をわかりやすく伝えることが、現実には表現困難な概念や抽象的なサービスも視覚化できることです。表現の自由度が高く、企業のブランドイメージと連動させやすいのが特徴です。また、天候やロケーションに左右されず、修正も比較的容易です。
デメリットは、実写に比べて信頼性や臨場感が劣る場合があることです。特に、高額商品やBtoB取引では「実際の商品を見たい」というニーズに応えきれない可能性があります。また、高品質なアニメーションは専門技術と時間が必要で、実写以上のコストがかかる場合もあります。
3. ハイブリッド動画(実写+アニメーション)
ハイブリッド動画は、実写映像とアニメーション要素を組み合わせた動画形式です。
実写の信頼性とアニメーションの表現力を両立できます。例えば、保険商品の説明で担当者が実写で特徴を説明し、複雑な補償内容をアニメーションで視覚化することで、信頼性と理解しやすさを同時に実現できます。
デメリットは、制作コストと工程の複雑さです。実写撮影とアニメーション制作の両方が必要となるため、どちらか一方のみの制作と比べて時間と予算がかかり、トーンの統一にも高度な企画力が求められます。
目的別の動画制作ジャンル一覧
企業が制作する動画は、その目的や用途によって、適切なジャンルが異なります。主要な動画ジャンルを目的別に4つに分類し、それぞれの特徴と効果的な活用方法について解説します。
1. ブランディング
【株式会社ソリトンシステムズ】働き方改革 ブランディング動画
ソリトンシステムズ様は「柔軟な働き方」をテーマにブランディング動画を制作しました。製品紹介ではなく「導入による働き方の変化」を主題とし、実際のシーンを通じて視聴者が自社に重ねやすいストーリーを展開する事で、製品機能と企業理念を同時に印象づけています。
ソリトンシステムズ様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
【太平洋セメント株式会社様】会社紹介CM
太平洋セメント株式会社様は、ブランドイメージ向上を目的に動画を制作しました。資源消費のイメージを払拭し、リサイクルによるコンクリート製造の取り組みを伝えるために、親しみやすいイラスト・アニメを活用。事業の信頼性とブランドイメージの強化を同時に実現しています。
太平洋セメント株式会社様の事例について詳しくはこちら をご覧ください
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「自社の魅力をどう伝えるか」に課題を感じている方は、ブランディング動画の記事もぜひご覧ください。 「【企業向け】成果につながる ブランディング動画を制作するには|事例から学ぶ成功ポイント」 |
2. マーケティング・販促
【株式会社ミマキエンジニアリング様】CJV200 紹介動画
プリンター「CJV200」の魅力を伝えるために制作された製品紹介動画です。実際の印刷シーンにタイポグラフィを重ねることで、機能をわかりやすく表現し、視覚的なインパクトも演出しています。展示会やWebサイト、YouTubeなど多様なチャネルで活用されています。
株式会社ミマキエンジニアリング様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
【富士通株式会社会社様】GLOVIA smart 製造業ソリューション ご紹介
富士通株式会社様は「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart 製造業ソリューション」を紹介する動画を制作されました。複雑な概要をナレーションとアニメーションでわかりやすく解説し、後半では実際のお客様インタビューを交えて事例を紹介。複数の手法を組み合わせることで、信頼性と理解促進を両立したソリューション紹介動画に仕上がっています。
富士通株式会社様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
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インタビュー動画やサービス紹介動画について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。 「【企業向け】インタビュー動画はこう作る!実例付きで解説する制作の流れと活用法」 「【企業向け】サービス紹介動画の効果とは?魅力を伝える制作・活用のポイント」 |
3. 採用
【KCCSモバイルエンジニアリング株式会社】社長メッセージ
就活生向けに制作された社長メッセージ動画です。会社紹介や先輩社員インタビュー、福利厚生紹介など複数の動画を分割して制作することで、目的に応じた発信が可能に。全体像を1本にまとめて見せることもでき、採用活動における柔軟な活用を実現しています。
KCCSモバイルエンジニアリング株式会社様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
【株式会社マサル様】会社紹介
就活生に向けて自社の魅力を発信する採用動画です。CGアニメーションでダイナミックかつインパクトのある表現を取り入れ、学生の関心を惹きつける構成に。さらに作業員の実際の仕事風景を盛り込み、技術力やビルの耐久性を訴求しています。動画ならではの迫力で、企業の思いや熱量を効果的に伝えています。
株式会社マサル様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
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採用動画のメリットや作り方、効果を出す方法については、以下の記事で詳しく解説しています。 |
4. 教育・研修
【シスコシステムズ合同会社様】Cisco Webex 会議の参加方法
スマートフォン/タブレットでのWebex会議への参加方法をわかりやすく解説した研修用デモ動画です。利用デバイスを絞り、端的に要点を整理した構成となっており、視聴者が迷わず操作を理解できる内容に仕上がっています。教育・研修シーンに適した実践的な動画事例です 。
シスコシステムズ合同会社様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
【久留米建機サービス株式会社様】移動式室内足場 マニュアル動画
「STAGE-Q」の正しい使用方法を現場作業者に伝えるためのマニュアル動画です。組み立てから高さ調整、収納、オプション器具の取り付けまでを順序立てて解説し、事故防止と安全教育に役立つ構成となっています。文字だけでは伝わりにくい操作も、映像で実演することで理解度を高めています。
久留米建機サービス株式会社様の事例について詳しくはこちら をご覧ください。
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社員教育に動画を活用するメリットや制作のポイントについては、以下の記事で解説しています。 |
動画制作の種類を選ぶ際の3つのポイント
どの種類の動画を制作するかを決める際に重要となる3つのポイントを紹介します。
1. 制作目的を明確にする
認知度向上、販売促進、人材採用など、具体的な目標を設定し、最も効果的な動画タイプを選択します。目的が曖昧なまま制作を進めると、効果測定も困難になり、費用対効果が低い動画になってしまいます。制作前に関係者の間で目的を明確に共有し、数値目標も設定することが重要です。具体的に以下の目的が挙げられます。
【主要な制作目的】
制作目的 |
詳細説明 |
認知度向上 |
会社や商品の存在を広く知ってもらいたい |
売上促進 |
商品購入や問い合わせ獲得など、売上に直結する成果を狙う |
ブランディング |
企業イメージの向上や差別化を図りたい |
人材採用 |
優秀な人材獲得のため企業魅力を伝えたい |
教育・研修 |
社内外での知識・スキル習得を効率化したい |
目的を明確化する中で、「認知度向上」と「売上促進」のように複数の目的が重なることがあります。例えば新商品紹介動画は両方を狙うケースが多く、どちらを主目的とするか迷うことがあります。
このような場合は、短期的に最も重要となる成果や予算配分を整理して優先順位を決めましょう。目的の判断で迷った時は、動画制作会社に相談するのがオススメです。実績豊富な制作会社であれば、業界に応じた目的設定のアドバイスや、複数目的を効果的に両立させる企画を提案してくれます。
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動画制作の目的設定の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。 |
2. ターゲット層を分析する
視聴者の属性や行動パターンを詳しく分析することで、最も響く表現方法や配信方法を選択できます。
【分析すべき要素 】
要素 |
説明 |
基本属性 |
年齢、性別、職業、役職、業界 |
関心事・課題 |
どのような情報に興味を持っているか |
情報収集行動 |
どのような媒体で情報を得ているか |
動画視聴習慣 |
普段どのような動画を視聴しているか |
例えば、20代の求職者をターゲットにする採用動画と、50代の経営者をターゲットにするBtoB商材の紹介動画では、表現方法から配信プラットフォームまで大きく異なります。ターゲット層に合わせた最適化により、動画の効果を最大化できます。
3. 予算と制作期間の考慮する
利用可能なリソースの範囲内で最大の効果を得られる手法を選択し、現実的なスケジュールを設定する必要があります。
一般的に予算が限られている場合は、外注ではシンプルなアニメーション動画にしたり、社内リソースを活用した実写撮影されることが多いです。予算に余裕がある場合は、プロによる本格的な実写撮影やハイブリッド動画、複数パターンの制作が可能になります。ただし、予算の大小だけでなく、制作目的や求める品質レベルに応じて、最適な手法を選ぶことが重要です。
また制作期間について、発注から納品までの全体期間は、実写動画で約1.5~2ヶ月、アニメーション動画で約2~3ヶ月程度を見込んでおくと安心です。ただし、内容の複雑さや修正回数によって期間は変動するため、余裕を持ったスケジュール設定が大切です。
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動画制作の流れや外注活用については、以下の記事で詳しく解説しています。 |
動画制作の基礎知識を活用して自社に最適なコンテンツを作ろう
動画制作には実写動画、アニメーション動画、ハイブリッド動画という3つの基本的な種類があり、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。企業紹介や商品紹介などの目的別に適した動画の種類も異なるため、制作前に目的やターゲット、予算などを明確にして最適な選択をすることが重要です。動画制作の種類を正しく理解し、自社の目標に最適な動画を制作することで、効果的なマーケティング成果を得ることができます。
動画制作を検討されている場合は、ぜひ当社にご相談ください。豊富な経験と専門知識で、お客様に最適な動画制作をサポートいたします。
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