【企業向け】動画制作の目的とは?目的設定の重要性と成果につながる考え方

 2025.07.15  株式会社ヒューマンセントリックス

デジタル技術の発展や、スマートフォンの普及により、企業の情報発信ツールとして動画の重要性が高まっています。しかし、動画を作る目的を明確に設定しないまま制作を始めてしまうと、せっかくの時間とコストを費やしても、期待した効果が得られないことがあります。本コラムでは、企業が動画制作を行う際の目的設定の重要性と、目的別の活用方法、そして成果につながる考え方について解説します。

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動画制作における「目的設定」の重要性

まずは、動画制作における目的設定の重要性を、2つ解説します。

1. 目的があいまいだと失敗する可能性が高くなる

動画の目的が不明瞭な状態で制作を進めると「何となくよい動画ができた」と、制作したことに満足してしまいがちです。そのため、以下のような問題を引き起こす恐れがあります。

  • 「何を伝えるべきか」が不明確なため、内容が散漫になる
  • 「誰に見せるべき動画なのか」がわからず、適切な利用シーンを選べていない

多くの企業が陥りがちな誤りは、動画制作自体が目的になってしまうことです。動画は、あくまでもビジネス目標を達成するための「手段」であり、制作すること自体が目的ではありません。

2. 目的が決まると、制作工程がスムーズになる

明確な目的設定があれば、動画の企画段階から配信後の運用まで、プロセスをスムーズに進めていくことができます。例えば、新卒採用における応募数を、「前年比20%増」という明確な目的があれば、ターゲットとなる学生の特性を考慮した内容や、応募を促す情報を盛り込んだ構成を立てやすくなります。
目的設定をすることで、成果に向けた方針が明確になるだけでなく、振り返りと改善も実施しやすくなります。

動画制作における代表的な4つの目的

動画制作の代表的な目的は主に4つに分けられます。それぞれを解説します。

1. 認知・関心の喚起

製品やサービスを多くの人に知ってもらい、関心を持ってもらうことはとても大切です。視聴者に強い印象を残すことが、製品やサービスを知ってもらうきっかけとなります。この目的の動画では、詳細な説明よりも印象的なビジュアルやキャッチーなメッセージを優先し、視聴者に強く印象づける表現を意識します。

2. 商品・サービスの魅力訴求

製品やサービスへの期待を高め、顧客の興味を購買意欲へと転換するための重要なステップとなります。 この目的の動画では、特徴やベネフィットを具体的に伝え、視聴者が「欲しい」「使ってみたい」と感じるような内容構成が効果的です。機能説明だけでなく、使用によって得られる体験や感情を伝えることで、より強い期待感を生み出します。

3. 信頼構築

製品やサービスの価値を高め、安心感や信頼性を醸成するのが目的です。特にBtoB企業や専門性の高いサービスでは、製品やサービスへの信頼が購買決定の重要な要素となります。 この目的の動画では、企業理念や開発ストーリー、品質管理体制、顧客の声などを通じて、企業の姿勢や価値観を伝えることが大切です。例えば、実際に関わる人々の顔が見える内容にすることで、視聴者からの信頼感を高める効果があります。

4. 理解促進

製品やサービス導入後のサポートを目的としています。顧客が製品やサービスを最大限に活用できるようにし、満足度を高めるための取り組みです。 特に複雑な操作が必要なソフトウェアや多機能な製品では、ユーザーが機能を正しく使いこなすための、十分な理解が不可欠です。 この目的の動画では、具体的な操作方法や活用のヒントをわかりやすく伝えることで、ユーザーの理解を深め、製品の定着を促進します。

目的に応じた動画制作の設計ポイント

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動画制作の目的が明確になったら、次はその目的を達成するための具体的な制作アプローチを考える必要があります。ここでは重要な3つのポイントを解説します。

1. 誰に何を伝えたいのかを明確にする

動画制作において最も重要なのは、ターゲットとメッセージの明確化です。「誰に」「何を」伝えたいのかが曖昧では、訴求力のある動画を作ることはできません。
例えば、教育サービス企業であれば、サービス紹介動画の制作で「子育て中の30代〜40代の母親」というターゲットに「子どもの自立心を育てながら学力も向上させる」というメッセージを伝えたいと設定します。ターゲットの日常的な悩みに寄り添い、具体的な解決策を提示する内容にすることで、多くの共感を得ることができます。

2. 視聴シーンに応じた構成・尺・トーンの最適化

動画が視聴されるシーンや状況を考慮して、最適な構成、尺、トーンを選択することが重要です。また、視聴環境によって効果的な表現方法は大きく異なります。
例えば、BtoB企業のソフトウェア会社であれば、同じ製品について複数の動画を制作し、ユーザーの視聴シーンに応じて使い分けています。展示会用には、音声がなくても理解できる視覚的なダイジェスト動画を、Webサイト用には詳細な機能説明動画を、商談後のフォローアップ用には導入事例動画を、というように目的と視聴環境に合わせた最適化を行います。

3. 目的に合ったKPI設計と効果測定を行う

動画制作の効果を正確に把握し、継続的な改善につなげるために、KPI設計と効果測定は欠かせません。
例えば、アパレルのECサイトであれば、商品紹介動画の効果測定として、単純な視聴回数ではなく「動画視聴者の購入コンバージョン率」と「平均視聴時間」をKPIに設定しました。これにより、どの部分で視聴者の離脱が多いのかを分析し、次回の動画制作で改善点を明確にすることができます。

目的別の活用シーンと動画の種類

動画の目的を明確にしたあとは、目的に応じた動画の活用シーンを検討することが重要です。ここでは、よくある活用シーンと、それに適した動画の種類を、4つに分けて紹介します。

1. 広告・SNSで認知や関心を高める動画

認知や関心を高めることを目的とした活用シーンは、YouTube広告やSNS投稿、ディスプレイ広告などがあります。これらのプラットフォームでは、短時間で視聴者の注目を集め、興味を引く必要があります。

【このシーンに適した動画】1530秒程度の短尺動画。

特に、広告では音声がオフで視聴されることも多いため、字幕やビジュアル中心の構成にすることが重要です。テレビCMのようなストーリー性のある動画や、製品の特徴を端的に表現したプロモーション動画・ティザー動画などが、この目的に適しています。

2. 製品・サービスの魅力を伝え、期待を醸成する動画

期待醸成の目的に適した活用シーンは、自社Webサイトの製品紹介ページやメールマーケティング、営業担当者が使用する営業資料などがあります。この段階では、視聴者はすでに一定の関心を持っているため、より具体的な情報提供が求められます。

【このシーンに適した動画】13分程度の製品機能紹介動画や使用方法のデモンストレーション動画、製品の魅力を伝えるプロモーション動画など。

製品やサービスの機能だけでなく、それによって得られるベネフィットや、実際の使用シーンを具体的に伝えることで、視聴者の期待値を高めることができます。

3. 顧客の導入事例や開発者へのインタビューによる信頼構築の動画

信頼構築を目的とした活用シーンは、自社Webサイトの導入事例ページや商談後のフォローアップ、展示会・セミナーなどがあります。製品やサービスの検討段階にある顧客に対して、信頼性を高める情報を提供することが重要です。

【このシーンに適した動画】導入事例紹介動画や顧客インタビュー動画、製品やサービスの制作背景に関する開発者インタビューなど。

特に、実際の顧客の声や導入効果を具体的に伝えることで、検討者の不安を解消し、信頼感を醸成することができます。特にBtoB企業では、同業種や類似規模の企業の事例が説得力を持ちます。

4. マニュアルやガイドで導入後の理解を深める動画

理解促進の目的に適した活用シーンは、サポートサイトやヘルプセンター、会員向けポータル、製品同梱のQRコードなどがあります。製品やサービスの導入後、顧客が必要なときに必要な情報にアクセスできる環境を整えることが重要です。

【このシーンに適した動画】機能別のチュートリアル動画、FAQ(よくある質問)の解説動画、活用のヒントを紹介するトピックス動画など。

複雑な操作や多機能な製品では、段階的に分かりやすく説明し、視聴者の習熟度に合わせたコンテンツを用意することが効果的です。

成果を生む動画制作は、明確な目的設定が不可欠

動画の目的を明確にし、その意図に合った制作と運用を行うことで、動画の効果を最大限に引き出すことができます。目的が曖昧なまま制作を進めるのではなく、「誰に何を伝え、どのような行動を促したいのか」を明確にすることで、効果的な動画活用が可能となるでしょう。

一方で、企業の課題や施策に合わせて、最適な目的を設定するのは難しい場合もあります。その際はコンサルティングに長けた社外パートナーへ動画制作を依頼することも有効です。

動画制作をご検討の際は、豊富な実績と専門知識を持つ当社まで、ぜひご相談ください。動画制作だけでなく、今後の活用までワンストップで、サポートいたします。


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