コラム

 2025.09.17  株式会社ヒューマンセントリックス

【企業向け】動画制作の費用はどれくらい?種類別・条件別に相場と価格の決まり方を解説


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動画制作は、マーケティングや営業活動の成果を大きく左右する重要な手段です。しかし、いざ外注しようとすると「相場がわかりにくい」「見積もりの比較が難しい」と感じる担当者も多いのではないでしょうか。一言に動画といっても、用途や表現方法、制作工程の深さによって価格は大きく変動します。シンプルなインタビュー動画と、アニメーションを駆使したサービス紹介動画とでは、必要な工数やチーム構成がまったく異なり、相場も数十万円単位で差が出ます。さらに、発注先によって見積もりの項目や記載方法が異なるため、「なぜこの価格になるのか」が判断しづらいのが現状です。この記事では、動画制作の費用相場をわかりやすく整理し、マーケティング現場での活用を前提に、代表的な動画パターンや条件別の価格目安、予算を有効に使うための考え方を解説します。

なぜ動画制作は「費用相場」がわかりにくいのか?

動画制作の相場は、内容や目的、制作工程によって大きく変わります。さらに制作会社ごとに見積もり方法が異なるため、企業が動画制作の費用の目安を把握するのは簡単ではありません。ここでは、その理由を3つに分けて整理します。

1. 動画制作は「種類」だけで価格が決まらない

動画制作の価格は、「インタビュー動画」「サービス紹介動画」「製品紹介動画」といった種類だけでは決まりません。同じ種類の動画でも、撮影日数、出演者の有無、カメラの台数、ロケ地の数、BGMやナレーションの有無など、細かな条件によって価格は大きく変動します。たとえば、同じインタビュー動画でも、会議室で1時間撮影してシンプルに編集する場合と、複数拠点で撮影し、テロップやCGを多用する場合では、工数も必要な人員もまったく異なります。

2.「どこまで凝るか」で価格は大きく変わる

動画制作は、構成や演出をどこまで作り込むかによって、必要な予算が大きく変わります。
シンプルに伝えることを目的とした最低限の編集なら比較的低コストで済みますが、ブランドイメージを重視して映像美や演出にこだわる場合は、撮影クルーの増員や特殊機材、長時間の編集作業が必要になり、その分費用も跳ね上がります。こうしたこだわり度は見積もりに直結するため、事前にどこまで求めるのかを明確にしておくことが重要です。

3. 見積もりを比較するときに迷う理由

複数の制作会社から見積もりを取得した際、金額や項目が会社ごとに異なり、単純な比較ができないことがあります。たとえば、ある会社は「撮影費」に人件費や機材費が含まれている一方、別の会社はそれらを細かく分けて記載することもあります。また、提案段階で含まれていない項目が、後から追加費用として発生するケースもあります。このため、単純な金額の差だけで判断すると、結果的に総額が想定以上になることも珍しくありません。

マーケティングでよく使われる動画3選

マーケティング活動において動画を活用する場合、数多くの種類があります。
ここでは、実務の現場で特によく採用されるのは、3つのパターンを解説します。

1. インタビュー動画(実写)

顧客や経営者、製品の開発者などにインタビューし、その声を直接届ける形式の動画です。
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マーケティングでは、顧客事例紹介や広報で活用されることが多く、信頼性や親近感を高める効果があります。撮影は、比較的シンプルでも成立しますが、ライティングや音声収録にこだわることでプロフェッショナルな印象を与えられます。

【関連記事】

インタビュー動画の制作の流れや活用事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【企業向け】インタビュー動画はこう作る!実例付きで解説する制作の流れと活用法

 2. サービス紹介動画(イラスト) 

アニメーションやモーショングラフィックスを用い、サービスの仕組みや特徴をわかりやすく説明する動画です。特にITサービスや複雑なソリューションの説明に適しており、実写では表現しにくい抽象的な概念や工程も、視覚的に整理して伝えられます。色や動きの演出でブランドイメージを統一しやすい点も特徴です。

【関連記事】

サービス紹介動画の制作の流れや活用事例については、以下の記事で詳しく解説しています。
【企業向け】サービス紹介動画の効果とは?魅力を伝える制作・活用のポイント

3. 製品紹介動画(実写+イラスト)

実際の製品映像に加え、イラストやCG、アニメーションを組み合わせて制作するハイブリッド型の動画です。製品の質感や使用シーンをリアルに見せつつ、図解や説明パートで機能や性能を補足できます。展示会や営業商談、ウェブサイトなど幅広いチャネルで活用され、説得力と理解度の両立が可能です。

動画制作の具体的な費用相場|条件別・目的別に解説

動画制作の費用は、「制作内容の複雑さ」「表現方法」「撮影や編集の工数」によって大きく変動します。特に企業が発注する場合は、動画制作の相場や料金目安を理解しておくことが重要です。
ここでは、マーケティングの現場でよく利用される3つの動画パターンについて、条件別に費用の目安と相場感を解説します。

インタビュー動画(実写)の 費用相場と料金目安

・低価格帯(15万〜50万円)
ワンカメラでの撮影、照明や背景もシンプルな構成。短時間の撮影で、編集も最低限。社員紹介や簡易的な顧客コメント動画などに適しています。

・中価格帯(35万〜120万円)
複数カメラでの撮影、ライティング・音声収録にこだわり、インサート映像(作業風景や製品カット)を追加。ブランディング性を高めたい事例動画や採用インタビューに向いています。

・高価格帯(120万〜350万円以上)
撮影前の構成設計やシナリオ作成に時間をかけ、複数ロケーション・複数日撮影、テロップやグラフィック演出を充実。大規模イベントでの放映や、企業トップのメッセージ動画など重要度の高い案件に最適です。

サービス紹介動画(イラスト)の 費用相場と料金目安

・低価格帯(30万〜50万円)
テンプレートベースのアニメーションやシンプルな図解。短尺で、基本的なサービス概要を伝えるランディングページ用などに利用されます。

・中価格帯(50万〜100万円)
フルオリジナルのイラストやアイコン制作、動きのバリエーションを増やしてストーリー性を演出。展示会やオンライン説明会向けの動画に適しています。

・高価格帯(100万〜200万円以上)
キャラクターデザイン、3D要素、細かいモーション演出など高度なクリエイティブを実装。ブランドムービーや大型キャンペーンでの活用に向いています。

製品紹介動画(実写+イラスト)の 費用相場と料金目安

・低価格帯(40万〜80万円)
製品撮影に加えて、簡易的な図解やテロップを組み合わせる構成。短尺の営業資料動画やウェブ掲載用に向きます。

・中価格帯(80万〜150万円)
複数カメラ・複数アングルで製品を撮影し、フルオリジナルのCGやアニメーションで機能説明を補足。展示会や商談プレゼンでの活用に効果的です。

・高価格帯(150万〜500万円以上)
大規模な撮影体制、3DCGによる内部構造の再現、複雑なモーショングラフィックを組み合わせた高品質映像。海外市場向けプロモーションやテレビCMにも対応可能です。

動画制作の費用を抑えるコツ

 動画制作はただ「安くする」だけでなく、目的達成に必要な部分には投資し、不要な部分は省く工夫が大切です。 
 ここでは、企業が動画制作費用を抑えつつ成果を出すための4つのコツを紹介します。 

1. 予算を決める前に「投資対効果」を考える

 動画制作の費用感は、先に「どこまで投資できるか」を決めることで大きく変わります。
マーケティング施策全体の中で動画が果たす役割を整理し、期待する成果(リード獲得、商談化率、認知向上など)から逆算して予算を設定しましょう。 

2. 用途と目的を明確にする

同じ動画でも、展示会用・商談用・ウェブ広告用では必要な構成や演出が変わります。
「誰に」「何を」「どの場面で」見せるのかを事前に決めることで、余分な撮影や編集を避け、費用を抑えられます。

【明確にすべき項目】
・誰に:既存顧客、見込み客、採用候補者など
・何を:問い合わせ増加、認知度向上、採用応募数増加など
・どの場面で:Web、営業資料、展示会など

【関連記事】

 動画制作の目的設定については、以下の記事で解説しています。 
【企業向け】動画制作の目的とは?目的設定の重要性と成果につながる考え方

 3. こだわる部分と省く部分を決める 

限られた予算で最大の効果を得るためには、制作工程において「こだわる部分」と「省く部分」を戦略的に決定することが重要です。あらかじめ優先順位を決めることで、品質を保ちながらコスト削減が可能です。
例えば、商談用であれば「製品の機能説明」には力を入れ、オープニング演出は簡易化するなど、メリハリをつけることが大切です。

4. 複数社から相見積もりを取る

複数の制作会社から相見積もりを取得する際は、単純な価格比較ではなく、提案内容の質と自社の要望との適合性を総合的に判断することが重要です。

見積もり比較のポイント
・すべての制作会社に同じ条件で依頼する
・見積もりの内訳を詳細に確認する
・価格差の理由を必ず確認する
・制作会社の実績と専門性を評価する

【関連記事】

 動画制作を外注する際の業者選びや注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。  
【企業向け】動画制作を外注するなら|失敗しない選び方と成功のコツ

動画制作の価格は「種類×目的×表現」で決まる

動画制作の相場は、一律ではありません。動画の種類や尺だけでなく、「表現」「工程」「品質」という3つの要素によって、費用は大きく変わります。たとえば同じインタビュー動画でも、撮影回数やロケ地の数、編集の作り込み度合いによっては、相場が数十万円単位で変動します。この記事で解説したように、動画制作の相場を把握することは重要ですが、それだけでは自社にとって最適な制作プランは見えてきません。目的や活用シーンを明確にし、どこにコストをかけ、どこを簡略化するかを判断することが、費用対効果を高めるポイントです。見積もり比較でお悩みの方、または予算設定や費用内訳について相場以上の情報を知りたい方は、ぜひご相談ください。当社は、動画制作にとどまらず、企画から完成後の活用までを一貫して支援できる体制を整えております。豊富な実績と専門知識をもとに、最適なプランをご提案します。


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