【企業向け】縦型動画の活用法|BtoBマーケティングでの効果や成功事例を紹介
BtoBマーケティングを進める中で「新しい顧客接点をつくりたい」「展示会やセミナーの告知をもっと効果的にしたい」「文章や写真だけでは伝わりにくい魅力を表現したい」と感じる企業は少なくありません。そんな課題に対して、近年注目を集めているのが縦型動画です。
スマートフォンでの視聴を前提とした縦型動画は、SNSやWeb広告との相性が良く、短い時間でも要点をしっかり伝えられるのが特徴です。これまでBtoCのイメージが強かった縦型動画ですが、BtoBにおいても展示会や商談、採用活動など幅広いシーンで活用が進んでいます。
本記事では、縦型動画の特徴やメリット・デメリットを整理しながら、具体的な活用シーンや制作のポイント、実際の事例までをわかりやすく解説します。自社のマーケティング施策に縦型動画をどう取り入れるべきか、そのヒントを得ていただければ幸いです。
縦型動画とは?BtoBマーケティングにおける位置づけと特徴
BtoBマーケティングの現場で縦型動画を活用する前に、まずは「縦型動画とは何か」を整理しておきましょう。横型動画との違いや、スマートフォン時代に広がった背景を理解することで、なぜ今BtoBでも注目されているのかが見えてきます。
・縦型動画の定義と横型との違い
縦型動画とは、縦長の画面比率(9:16が主流)で制作される動画を指します。従来の横型動画(16:9)がテレビやPC画面での視聴を前提としていたのに対し、縦型動画はスマートフォンやデジタルサイネージといった 「縦型表示に特化したデバイス」 に最適化されている点が大きな特徴です。
横型動画では画面を横に傾けて視聴する必要がありますが、縦型動画であればスマートフォンを自然に持ったまま再生でき、さらに駅構内の広告モニターや展示会場の縦型パネルなどにもそのまま展開可能です。この「マルチシーン対応」こそが、縦型動画の有用性を高めています。
・スマホ時代に広がった背景
縦型動画が普及した背景には、スマートフォンの普及とSNSの台頭があります。
InstagramやTikTok、YouTube Shortsといったプラットフォームは縦型視聴を前提に設計されており、さらにユーザーから短尺でテンポの良い縦型コンテンツが好まれるようになりました。
また近年は、デジタルサイネージや広告パネルといったオフラインの場でも縦型映像が標準化しつつあります。これにより、縦型動画は 「日常的に触れるフォーマット」 として消費者だけでなくビジネス層にも自然に浸透しているのです。
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・BtoBにおける縦型動画の役割
BtoBにおける縦型動画の役割は、主に 「新しい顧客接点を生み出すこと」 にあります。
SNS広告や展示会の告知、さらにはデジタルサイネージなどで活用でき、短時間で興味を引く入口として機能します。その後の詳細説明や商談につなげる「きっかけづくり」として位置づけるとわかりやすいでしょう。
縦型動画のメリット|BtoBで活きる3つの強み
縦型動画は、スマートフォンやサイネージとの相性が高く、BtoBマーケティングにおいても注目を集めています。ここでは、BtoBで特に効果を発揮する3つの強みを整理します。
1.視聴完了率が高い
縦型動画はスマートフォンを縦に持ったまま視聴できるため、余計な操作が不要です。そのため離脱率が低く、最後まで視聴してもらいやすい傾向があります。展示会やセミナーの告知など、短時間で完結させたいコンテンツに向いています。
2.SNSとの親和性が抜群
InstagramやTikTok、YouTube Shortsといった縦型前提のSNSプラットフォームでは、自然に馴染みやすいのが特徴です。アルゴリズムの評価とも相性が良く、オーガニックリーチや広告効果の最大化につながります。BtoBでも、ターゲット企業の担当者に効率的にリーチできる強力な手段です。
3.短時間で要点を伝えられる
縦型動画は短尺でインパクトを与えるのに適しています。展示会の見どころ紹介や採用活動のPR動画、サービスの導入メリットを端的に伝えるなど、要点を簡潔に届けたい場面で効果的です。加えて、駅構内やイベント会場の縦型モニターにもそのまま活用できる点は、BtoBならではの大きなメリットです。
縦型動画のデメリットと活用の注意点
一方で、縦型動画には弱点もあります。BtoBマーケティングで効果的に使うためには、注意すべき点を理解したうえで設計することが重要です。
1.複雑な情報の説明には不向き
製品のスペック比較やシステム構成など、詳細な説明を伴うコンテンツは縦型では伝わりにくい傾向があります。画面サイズが小さくなることで、文字や図表の視認性が低下してしまうためです。特に技術的要素を扱うBtoBの場面では、横型動画との使い分けが求められます。
2.表現や演出に制約がある
縦型では横に広がる構図や複数人が同時に登場する表現が制約されがちです。また、業界によっては「カジュアルすぎる」という印象を与えるリスクもあります。ブランドの信頼性や重厚感を重視する業種では、演出やデザインの工夫が欠かせません。
3.横型動画との併用で補完的に活用
縦型動画は「認知・集客・入口づくり」に強みを持ち、横型動画は「理解促進・詳細説明」に向いています。
たとえば、展示会前は縦型動画でSNS広告やサイネージを通じて関心を引き、当日の会場では横型動画で製品を丁寧に解説する、といった組み合わせです。両者を補完的に活用することで、マーケティング全体の効果を最大化できます。
縦型動画の4つの活用シーン
縦型動画は「短時間で伝わる」「スマホやサイネージで自然に見られる」という特性から、BtoBマーケティングのさまざまな場面で活用が広がっています。ここでは代表的な活用シーンを4つに分けて紹介します。
1. イベントやセミナーなどの告知や集客
展示会やセミナーの集客では、事前の告知が成果を大きく左右します。縦型動画はSNSやメールで配信しやすく、開催日や見どころを30秒程度で端的に伝えられるため、関心を高める入口に最適です。さらにイベント終了後には、ダイジェスト映像を縦型でまとめることで、来場できなかった層や見逃した層へのリーチを拡大できます。
2. SNS広告やオウンドメディアでの拡散
SNS広告は縦型との親和性が高く、数秒でメッセージを届けたい時に最適です。ターゲティング機能と組み合わせることで、限られた予算でも効率的に集客効果を得られます。また、自社サイトやオウンドメディアに縦型動画を埋め込むことで、閲覧者の滞在時間を伸ばし、理解促進や問い合わせにつなげることも可能です。
3. 採用や社内広報での活用
縦型動画は、採用や社内広報の分野でも活用できます。応募者に向けて社員インタビューやオフィス紹介を縦型で届ければ、親近感を演出でき、会社の雰囲気をよりリアルに伝えられます。社内向けにもイベント告知や新サービスの共有を短尺でまとめれば、情報浸透がスムーズになり、多くの社員に素早く届けられます。
4. オフィスや展示会でのサイネージ活用
近年は駅や商業施設だけでなく、オフィスや展示会場にも縦型サイネージが普及しています。ブース入口や受付に縦型動画を流せば、訪問者の目を引きやすく、第一印象を高める効果があります。展示会では来場者が立ち止まるきっかけをつくる「動くポスター」として機能し、短時間でメッセージを伝えられる点が強みです。オフィスでは採用候補者や取引先へのブランド訴求にもつながり、リアル空間でのコミュニケーションを強化する手段として活用が進んでいます。
縦型動画の作り方|外注の判断と内製での制作ポイント
縦型動画は短尺かつシンプルな表現が求められるため、横型動画とは異なる工夫が必要です。まずは自社の予算や目的に応じて制作手法を選択し、それぞれの特性を活かした進め方を理解することが重要です。
1.制作手法の選び方|内製 vs 外注の判断基準
縦型動画の制作は、目的や予算、求める品質レベルによって最適な手法が変わります。以下の基準で判断しましょう。
■内製がおすすめの場合
・予算を抑えたい
・頻繁に更新したい(月数本ペース)
・まずは試験的に始めたい
■外注がおすすめの場合
・ブランドイメージを重視したい
・展示会や重要な広告で使用する
・高品質な映像が必要
・制作リソースが社内にない
2.内製で始める|スマホ撮影から編集まで
まずはスマートフォンを使った撮影から始めるのが簡単です。カメラ性能が高いスマートフォンを使えば、照明や構図に気を配るだけでも十分に見やすい動画が撮影できます。編集アプリを使えば、テロップの挿入やBGMの追加も容易で、SNSに最適化した縦型動画を短時間で仕上げることが可能です。
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3.外注を活用|プロ依頼時の制作フローと注意点
自社のブランドイメージをしっかり反映させたい、あるいは展示会や広告用に高品質な映像が必要な場合は、動画制作会社への依頼が有効です。企画設計から撮影、編集、活用方法の提案までワンストップで対応してもらえるため、完成度の高い動画を効率よく制作できます。特にBtoB向けでは「信頼感」を演出することが重要になるため、品質面に投資する価値があります。
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4.成果を出す制作ポイント
縦型動画で成果を出すには、視聴環境を前提にした構成が欠かせません。スマートフォン視聴では「短時間で印象を残す」「無音でも伝わる」ことが重要です。まず意識すべきは、冒頭3秒で惹きつける構成。最初に結論や魅力を提示しないと、スワイプで離脱されてしまいます。
次に、音がなくても理解できる設計を心がけましょう。字幕やテロップでメッセージを補強することで、通勤中などの無音環境でも訴求力を維持できます。
また、1テーマ=1動画を意識し、内容を詰め込みすぎないことも大切です。さらに、縦型動画は興味を引く“入口づくり”に強く、詳細な説明には横型動画が向いています。両者をうまく使い分けることで、動画マーケティング全体の効果を最大化できます。
縦型動画の成功事例
ここでは、実際に縦型動画を活用して成果を上げた事例を紹介します。SNS広告から駅構内のサイネージまで、BtoBにおける幅広い活用のヒントになるはずです。
マイクロストラテジー・ジャパン株式会社様|SNS広告で認知度を高めた製品プロモーション
SNS広告向けにコミカルなイラストアニメーションを活用した縦型動画を制作しました。役員をモデルにしたキャラクターやAIナレーションを取り入れ、製品の魅力を短時間で直感的に伝える構成としています。短尺ながらも視覚的なインパクトを与えることで、広告としての訴求力を高めた好例です。
マイクロストラテジー・ジャパン様の事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
エンカレッジ・テクノロジ株式会社様|駅構内サイネージで視認性を高めた広告展開
大手町駅構内の縦型サイネージに向けた広告動画を展開しました。既存のイラスト素材や動画を流用しつつ、縦型に最適化した編集を行うことで、制作コストを抑えながらも高い視認性を確保。通行者の目線を自然に誘導できる「動く広告」として機能し、ブランディング効果を発揮しました。
エンカレッジ・テクノロジ様の事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
スーパーストリーム株式会社様|3Dキャラクターで展示会・駅通路の訴求力を強化
品川駅港南口の自由通路に設置された縦型サイネージで、新バージョンリリースを告知する動画を制作しました。イラストを3Dキャラクター化し、立体的な動きを加えることで、歩行中の通行者にも強い印象を与える仕上がりに。展示会ブースやリアル空間でのサイネージ展開においても応用可能な事例といえます。
スーパーストリーム様の事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ|縦型動画で入口を広げ、BtoBマーケティングを加速させる
縦型動画は、単なるトレンドではなく「新しい顧客接点を生み出す手段」です。スマートフォンやSNSとの相性が高く、短時間で要点を伝えられるため、展示会・セミナーの告知や商談フォロー、採用広報など、BtoBマーケティングのさまざまな場面で成果を発揮します。
一方で、複雑な情報を届ける場面では横型動画が有効です。縦型と横型を目的に応じて使い分けることで、潜在顧客へのアプローチから、検討段階の顧客に向けた深い情報提供まで、マーケティング全体の流れを最適化できます。 「どのシーンで縦型動画を活用すべきか」「自社の目的に合わせてどう設計すべきか」を明確にすることが、成果につながる第一歩です。認知拡大や展示会の集客、営業活動の強化を検討している担当者こそ、縦型動画を取り入れてはいかがでしょうか。
当社では、企画から制作、活用設計までワンストップでサポートしています。縦型動画を活かしたBtoBマーケティングを進めたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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掲載日: 2025.10.23