企業イベントを成功させるために、今や「イベント動画」は欠かせない要素となっています。展示会、セミナー、新製品発表会などのイベントで動画を効果的に活用することで、参加者の満足度を高めたり、企業からのメッセージをより強く印象づけることができます。本記事では、イベント動画の基本から活用戦略まで解説します。
イベント動画とは?
イベント動画は、企業が実施する展示会やセミナー、カンファレンスなどのイベントに関連して制作される映像コンテンツです。記録だけではなく、宣伝や集客、ブランディングなど多目的に活用できます。近年はオンラインでのイベントも開催されており、オフラインとオンラインを組み合わせたハイブリッドイベントの普及により、その重要性は増しています。
イベント動画のメリット
イベント動画のメリットは主に以下が挙げられます。
・企業の理念やメッセージなどを効果的に伝える
・時間や場所を問わず繰り返し視聴できるため、情報の拡散性が高い
・ウェブサイト、SNS、営業資料などさまざまな場面で再利用可能
・企業やブランドのイメージ向上に貢献する
イベント動画は視覚と聴覚の両方に働きかけることで、企業のメッセージをより印象的に伝えたり、専門的な内容や複雑な情報もわかりやすく視聴者に届けたりすることができます。また、イベント以外でもマーケティングや営業活動にも活用できるなど、長期的な価値があることもメリットです。
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イベント動画の活用シーン
イベント動画の活用シーンを流れに沿って解説します。
イベント前
集客と期待感の醸成が主な目的です。プロモーション動画やティザー動画(詳細を明かさず視聴者の興味を喚起する短い予告動画)を制作し、ウェブサイトやSNSで配信します。過去のイベントハイライト動画や登壇者インタビュー動画も効果的です。
イベント本番
参加者の体験をより良くすることが目的です。オープニング動画でイベントの雰囲気を作ったり、展示ブースでは製品紹介動画で来場者に分かりやすく説明したりします。ライブストリーミング(インターネットを通じたリアルタイム配信)で参加できない人にも届けることも重要です。
イベント後
効果の最大化と長期的活用が目的です。アーカイブ動画の公開、ダイジェスト動画のSNS発信、動画の一部を再編集してマーケティングツールとして活用します。
イベント動画の種類
よく制作されるイベント動画の種類を解説します。
動画の種類 |
一般的な長さ |
概要・用途 |
プロモーション動画 |
30秒~2分 |
イベントの魅力や見どころを伝え、参加を促進する動画。主にイベント前に公開される。 |
ティザー動画 |
15秒~1分 |
詳細を明かさず視聴者の興味を喚起する動画。謎めいた演出で期待感を高める。 |
オープニング動画 |
1分~3分 |
イベント冒頭で上映し、世界観や雰囲気を設定する動画。印象的な映像と音楽で構成される。 |
アタック動画 |
30秒~1分 |
セッションや製品発表の直前に上映し、その重要性を強調する動画。注目を集める役割を持つ。 |
エンディング動画 |
1分~3分 |
イベント締めくくりに上映する動画。全体振り返りと次回への期待感を醸成する。 |
導入事例インタビュー動画 |
2分~5分 |
実際のユーザーの体験談や導入効果を紹介する動画。説得力のある情報源となる。 |
製品紹介動画 |
1分~3分 |
製品の特徴・機能・使用方法を詳しく紹介する動画。デモンストレーションと併用される。 |
会社紹介動画 |
2分~5分 |
企業の歴史・理念・事業内容を紹介する動画。企業への理解と信頼構築に役立つ。 |
メッセージ動画 |
1分~3分 |
出演できない登壇者の代わりに、事前収録のメッセージ動画でメッセージを届ける。 |
ダイジェスト動画 |
1分~2分 |
イベントの内容を短時間で伝えるダイジェスト動画で、要点やハイライトを効果的に紹介。 |
アーカイブ動画 |
必要に応じて |
イベント全体や各セッションを記録した動画。後日視聴用に提供される。 |
以下に詳細を説明します。
プロモーション動画
イベントの魅力や価値を伝え、参加を促進するための動画です。イベント前に公開され、コンセプトや見どころを30秒から2分程度で紹介します。例えば、出演者のハイライトや会場の特徴、参加者の声などを織り交ぜることで、「このイベントは魅力的で参加する価値がある」という感情を視聴者に喚起させることができます。
ティザー動画
イベントについて詳しい情報を明かさず、視聴者の興味を喚起する短い動画です。謎めいた演出や象徴的なビジュアルで期待感を醸成します。例えば、新製品発表会では製品の一部だけを映し出し「何が発表されるのか」というワクワク感を高める効果があります。
オープニング動画
イベント冒頭で上映され、参加者を引き込み、イベントの世界観を設定する動画です。印象的な音楽や映像で構成されます。参加者の気持ちを高揚させ、これから始まるイベントへの期待感を最大化する役割を持ちます。
アタック動画
特定のセッションや製品発表の直前に上映され、その内容の重要性を強調する短い動画です。視聴者の注目を集め、「今から重要な情報が発表される」という心理的準備を促します。音楽や映像効果を効果的に使い、瞬間的に会場の雰囲気を変える力を持っています。
エンディング動画
イベントの締めくくりとして上映され、イベント全体の振り返りや次回への期待感を醸成する動画です。イベントの感動的な瞬間や参加者の笑顔などを効果的に編集することで、充実感を伝えるとともに「次回も参加したい」という気持ちを自然に喚起させます。
導入事例インタビュー動画
製品やサービスの実際のユーザーにインタビューし、導入効果や体験談を紹介する動画です。生の声を通じて信頼性を高め、「自分の会社でも同じような効果が得られるかもしれない」と視聴者に思わせる説得力のある内容となります。
製品紹介動画
製品の特徴や機能、使用方法などを詳しく紹介する動画です。実際の操作画面や使用シーンを交えることで、視聴者が製品の価値や使い勝手をより具体的にイメージできるようになります。技術的な説明を視覚的に表現できるため、理解しやすくなります。
会社紹介動画
企業の歴史や理念、事業内容などを紹介する動画です。創業者のストーリーや企業文化、オフィス環境などを通して会社の実際の姿を伝えることで、企業への親近感や信頼感を高め、ブランドイメージの向上につながります。特に採用活動や投資家向けプレゼンテーションでは、数字だけでは伝わらない企業の価値観や魅力を効果的に伝達できます。
メッセージ動画
重要な登壇者やゲストが直接イベントに参加できない場合に、事前に収録したメッセージを届ける動画です。イベント会場にいない重要な関係者からのメッセージを参加者に届けられるため、時間や距離の問題を解決できます。例えば海外の著名人からのビデオメッセージは、イベントの格を高める効果もあります。
ダイジェスト動画
イベント全体のハイライトや重要ポイントを短時間で凝縮した動画です。長時間のイベント内容を1〜2分に編集することで、忙しい視聴者にも核心的な部分を効率よく伝えられます。SNS拡散にも適しており、イベント後のマーケティング活動や次回イベントの告知素材としても活用価値が高いです。
アーカイブ動画
イベント全体や特定のセッションを記録し、後日視聴できるようにした動画です。参加できなかった人へのフォローや、参加者が内容を復習する際に役立ちます。編集によって、完全版や要約版など複数のバリエーションを用意することも有効です。
イベント動画の制作ポイント
効果的なイベント動画を制作するためのポイントを解説します。
伝えたいテーマやコンセプトを明確にする
動画の主要なターゲットと目的を特定し、「何を伝えたいのか」を明確にします。企業のブランドイメージや価値観との整合性も重要です。具体的には、以下を決めておきましょう。
・主なターゲット層(年齢、職業、役職など)
・視聴者に期待する行動(申し込み、問い合わせ、SNSでのシェアなど)
・伝えたいキーメッセージ(1〜2文に集約できるもの)
・イベント動画を見た視聴者が得られるメリット
これらを事前に文書化しておくことで、制作過程での迷いを減らし、一貫性のある効果的な動画制作が可能になります。
参加者の目線で制作する
視聴者が求めている情報を優先しつつ、知識レベルに合わせた内容と表現を選びます。専門用語はあまり使わない、テロップを入れて文字でも伝えるといった見やすさに配慮しましょう。視聴者の感情に訴えかける演出を入れることも効果的です。
イベント動画の活用戦略
戦略に活用することでイベント動画の価値を最大化することができます。以下に具体例を紹介します。
イベントの宣伝と集客での活用
過去のイベントハイライト動画を公開し、次回イベントへの期待を高めます。プロモーションと組み合わせて即時のアクションを促します。
ブランディングや企業イメージの向上
高品質なイベント動画は企業のブランド価値を高めます。洗練された完成度の高い映像は企業のイメージアップに繋がり、専門的な内容であれば企業の信頼性向上に寄与します。また、CSR活動やビジョンを伝えるような会社紹介動画は、企業の価値観を効果的に伝え、顧客や取引先との信頼構築に役立ちます。
複雑でわかりにくいものをわかりやすく伝える
専門的な情報や複雑な製品であっても、動画であれば映像や音声を通じて簡潔に説明できます。また、抽象的な概念の説明も、図解やアニメーションを用いた動画で効果的に伝えられます。
製品・サービスへの説得力を持たせる
実際に利用されているお客様の声や専門家の方からのメッセージを含む動画で信頼性を高め、実際の使用場面を詳細に映すことで、視聴者は自社での導入イメージを具体的に描けるようになります。特に複雑な業務用システムや専門機器の場合、操作方法やメリットを映像で見せることで、カタログや説明文だけでは伝わりにくい価値を効果的に訴求できます。
イベントの記録と事後活用
アーカイブ動画を参加者への付加価値として提供し、社内教育や情報共有にも活用します。またイベントに参加できなかった方にアーカイブ動画を案内することで、参加者以外にもイベントの内容を届けられ、より多くの人にリーチできます。
イベント動画の活用でイベント効果を最大化しよう
イベント動画は企業の展示会やセミナーなどでの効果を高める重要なツールです。事前の告知からイベント当日に印象付けられることに加えて、事後の情報共有・拡散にまで幅広く活用できます。効果を最大化するためには、企画から制作、そして活用までの専門的な知識と経験が欠かせません。また、イベント動画を作って終わりではなく、イベント前の集客促進や事後のマーケティング活動など、動画の活用計画も同時に考えることが重要です。
目的に合わせた種類のイベント動画を作ることで、製品やサービスの訴求、企業やブランドの認知向上などへ貢献します。ヒューマンセントリックスでは、動画制作だけでなく、イベントの企画から制作・運営、制作した動画の事後の活用戦略までワンストップでサポートいたします。
イベント動画で、集客・認知拡大の効果を高めたいとお考えの方は、豊富な実績を持つヒューマンセントリックスにぜひご相談ください。
<問い合わせ先> https//www.humancentrix.com/contact
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