動画における投資対効果の指標
BtoB企業の動画とBtoC企業の動画。会社や担当者にもよりますが、往々にして、BtoB企業は、投資対効果にシビアです。ヒューマンセントリックスは、BtoB企業の営業として長年活動してきた経験から「このようなサービスがあったら・・・」と思い、起業をしてサービスを展開してきました。
多くのBtoB企業の担当者様より「そうそう!」「こんな提案、サービスが欲しかったのです」という声をいただきながら、ご提案と制作メソッドに微修正とバージョンアップを繰り返し、現在2,000社を超えるお客様にご利用いただいています。
さて、今回は「投資対効果の高い動画」についてお話します。 一般的に投資対効果を上げるには、 「投資を下げる」「効果を上げる」「その両方を実現する」となります。「投資を下げる」の指標は、割りとわかりやすいですが、「効果を上げる」は「何を持って効果とするか」でかなり異なってくると思います。
ヒューマンセントリックスの基本的な考えは、 「プレゼンテーションで動画を活用する」その動画を「いろいろなシーンで再活用する」です。
ここでは動画の 投資対効果の指標として「プレゼンテーション」「再活用」をキーワードにお話させていただきます。
短い動画で「効果を上げる」
BtoB企業にとって、プレゼンテーションの場とは、連載の第2回と第3回でご紹介した「営業活動・セミナー・展示会・Web掲載・採用活動・教育(人材育成)・IR活動・海外展開」の8つとなります。
プレゼンテーションで動画を活用するメリットを振り返ると、
- 整理された情報を端的に伝えられる
- 圧倒的な情報量(映像と音)でより深い理解を促す事ができる
- 疑似体験(お客様事例、最新施設)をしていただける
結果として、発表者にも余裕が生まれますし、プレゼンテーションの質も高まることになるので、動画を取り入れるのが有効とお話しました。そして、実はプレゼンテーションに取り入れる 動画で重要なのが、動画の再生時間(尺)なのです。
新規顧客訪問で 1つの動画に使う再生時間(尺)は長くても2分までにしましょう。会社紹介や製品紹介、製品デモ、使い方説明など、30秒から60秒くらいの短い動画をいくつも見ていただくほうが、テンポが良く、お客様にも解りやすいプレゼンテーションになるからです。
Web動画も傾向が良く似ています。Webに掲載する動画も再生時間(尺)が長い場合、そもそも視聴いただけない傾向にあります。必ず動画の説明に「60秒動画で説明します」といった 「再生時間」を記載すると良いでしょう。
以前、ABテストをしました。動画が2つ並んでいます。
A:90秒動画 B:再生時間の記載なし
結果は、明らかにAのクリック率が高かったのです。
さらに、
A:再生時間のカウンター「あり」 B:再生時間のカウンター「なし」
では、Bの方が途中離脱率が圧倒的に高い結果となりました。
人は事前情報によって、視聴するか否かを決め、さらに、再生時間が可視化さるほうが視聴しやすいということがわかりました。
これは、実際のビジネスの現場で、忙しい相手をみつけて「申し訳ありませんが、3分ほどお時間をいただけますか」というほうが、話を聞いてくれる確率が高いのと似ていると思いませんか?
つまり、 相手に何かを伝えることを目的とした場合、
- 短い動画(最大2分)
- 動画の再生時間(尺)を明示する
このことが動画自体の「効果を上げる」のです。
さて、最近では、動画を掲載できるプラットフォームも充実し、デジタルマーケティングで活用したいとの要望も増えてきました。そこには視聴履歴をレポートする機能も含まれており、視聴時間や、CVR(Conversion Rate/コンバージョン率)を効果として捉える会社もあると思います。
ただし、定量的な効果を一律で図るのはとても難しいです。商品サービスやWebサイトの作り、SNSの活用度、リスティング広告やSEO予算による変化、さらには、顧客リスト、メルマガ配信などの有無や内容によって、結果が大きく異なるからです。
ある会社で上手くいったことが、別の会社で、上手くいくとは限らないのが実態です。
それでも、デジタルマーケティングなら、「まずはやってみましょう」「やってみて、確認してみましょう」というが、ヒューマンセントリックスからのご提案です。
「まずやってみる」に対して、大きな予算をかける必要はありません。動画の特徴である「目を引く」「インパクトがある」シンプルな動画で市場の様子を掴んでみてはいかがでしょう。
ここで実例を1つご紹介します。
ウイングアーク1st様(30秒動画)
BIツールを超えたダッシュボード「MotionBoard Ver.5.7
投資対効果がわかりやすく、最近需要の増えているデジタルマーケティングでの活用というのも、実は動画を再活用する1つのシーンにすぎません。
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部門間を連携した再活用で「投資を下げる」
営業活動のプレゼンテーションで利用できる動画は、デジタルマーケティングにも、再活用できるものでした。作った動画は、8つのプレゼンテーションの場「営業活動・セミナー・展示会・Web掲載・採用活動・教育(人材育成)・IR活動・海外展開」のどれでも再活用できます。
1つの目的・部門のためだけに動画を企画・制作するために投資するというのはとてももったいなく、 会社の周りを見れば、再活用したい部門は、例えば、営業、人事、総務、イベント担当、IR担当など、たくさんあるはずです。
例えば、採用活動で急遽動画を使いたい。わかりやすい会社紹介の動画と、配属先の異なる4〜5名の若手社員のインタビュー動画を組合わせてると効果的な採用活動ができるけど、予算は若手社員のインタビュー動画の制作分しかない・・・そんな場合ヒューマンセントリックスでは、こうガイドします。
採用動画制作するための会社紹介の動画制作では、利用シーンによって、経営企画部、マーケティング部、総務部も窓口になります。経営企画部は、株主総会や決算説明会での利用。マーケティング部は、展示会・セミナーでの利用。総務部は、周年行事や受付前のデジタルサイネージでの利用。このように各部門が連携して動画の再活用をすることで効果的な動画の活用が出来るようになります。
今、社内にそういったニーズがないか、まずは、確認ください。
別部門で会社紹介動画のニーズがあれば、人事部は若手社員のインタビュー動画の予算だけで、かなりしっかりとした内容の動画を組み合わせて採用活動ができるようになります。
ここで動画を再活用されている実例を2つご紹介いたします。
日商エレクトロニクス様
展示会で活用した会社紹介の動画をデジタルサイネージでも再活用。さらに短縮版に再編集することで営業活動の現場やWeb掲載でも再活用いただいています。
TDCソフトウェアエンジニアリング様
Web掲載や受付前のデジタルサイネージで使う会社紹介の動画を再編集したものを、採用動画やIR活動用のインフォマーシャルとして再活用いただいています。
*インフォメーション(情報)とコマーシャル(広告)の造語で 通常のテレビコマーシャルより長いもの(1分~1時間ほど)を指します。 上述の動画は日経新聞グループのBSジャパンで放映されました。
動画は徹底的にこき使うことで投資対効果が上がる
最後に、何度も繰り返しになりますが、投資対効果の高い動画とは、部門間で連携して、徹底的に再活用できる動画のことです。「これだけのための動画」というものはなく、活用シーンや部門が変われば同じ動画でも異なる意図で利用できるからです。
会社紹介の動画は、どの部門でも横断的に活用でき、少し編集を加えればさらに利用の幅が広がります。また、営業活動の現場で活用できるような短い動画は、コンテンツマーケティング、マーケティングオートメーションといったデジタルマーケティングでも大いに再活用いただけます。
作った動画は、使っても使っても消耗しません。徹底的にこき使っていただくのが動画の本望です。
さて、次回コラムでは、日本を代表する企業2,000社以上における実績が動画制作会社ヒューマンセントリックスの強みのひとつです。そこに至った経緯、業界別のニーズの違い、特徴などについてご説明したいと思います。
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