【企業向け】会社紹介動画のメリットと活用法|成果を出す作り方と成功事例
企業が自社の魅力を効果的に伝える手段として、会社紹介動画の重要性が高まっています。従来のパンフレットや文章による紹介では伝えきれない企業の雰囲気や人柄、実際の事業活動の様子を動画なら視覚的に表現できるためです。本コラムでは、会社紹介動画の基本的な定義から制作ポイント、活用戦略、成功事例までを詳しく解説します。
会社紹介動画とは?
会社紹介動画は「そもそもどんなものか」をまず理解しておくことが重要です。
単に会社の情報を映像化するだけではなく、どのような役割を持ち、何を伝えるべきかを押さえることで、制作や活用の方向性が見えてきます。ここからは、会社紹介動画の基本的な定義や目的について解説します。
会社紹介動画の定義
会社紹介動画とは、企業の概要・事業内容・強み・理念などを映像でわかりやすく伝えるための動画コンテンツです。パンフレットやWebサイトだけでは伝わりにくい雰囲気やストーリー性を補完し、短時間で多くの情報を届けられる点が特徴です。近年は採用・営業・広報・IRなど、多様な用途で活用が広がっています。
なぜ会社紹介動画が必要とされるのか
BtoBの商談や採用の場面では、相手に「信頼できる会社かどうか」を短時間で判断されることが多くあります。テキストや口頭説明だけでは印象に残りにくく、差別化も難しいのが現状です。その点、会社紹介動画はビジュアルとストーリーを通じて「わかりやすさ」と「記憶に残る体験」を提供できるため、第一印象を左右する重要な役割を果たします。
会社紹介動画で伝えられる内容とは
会社紹介動画で盛り込む内容は大きく次の3点に分けられます。
・企業理念・ビジョン:会社の存在意義や将来の方向性を伝え、共感を得る。
・事業内容・強み:製品やサービスの特徴、競合との差別化ポイントを端的に説明する。
・実績・雰囲気:導入事例や社員の声、オフィス風景などを盛り込み、信頼感とリアリティを持たせる。
こうした要素をバランスよく組み込むことで、視聴者に「この会社は信頼できそうだ」と感じてもらい、次のアクションにつなげることができます。
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会社紹介動画を活用する3つのメリット
会社紹介動画の活用がもたらすビジネス効果について、3つの主要なメリットから解説します。
1. 差別化や印象づけができる
競合他社との差別化において、会社紹介動画は極めて強力なツールとなります。同じ事業領域で類似したサービスを提供している企業であっても、動画を通じて独自の企業文化、社員の人柄、事業への取り組み姿勢を表現することで、明確な差別化を図ることができます。
また、文章や画像だけの企業紹介では表現できない「企業の温度感」を動画なら効果的に伝えられます。例えば同じ「お客様第一主義」を掲げる企業でも、実際の現場でお客様対応している社員の表情や声のトーン、オフィスの雰囲気などを動画で見ることで、その企業ならではの姿勢や社風が伝わってきます。
2. 信頼感を醸成できる
信頼関係の構築において、会社紹介動画は特に大きな価値を発揮します。動画では実際の社員の顔や声、働いている様子、オフィス環境などをリアルに伝えることができるため、視聴者に「この企業は実在し、実際に事業活動を行っている」という安心感を与えることができます。
特にBtoBの商談においては、初回接点前に動画を視聴してもらうことで商談の質が大きく向上します。事前に企業概要や取り組み姿勢を理解してもらえるため、商談では具体的な課題解決の提案により多くの時間を割くことができるようになります。実際の導入事例として、システム開発会社がプロジェクトマネージャーの管理の様子を動画で紹介することで、発注前から「経験豊富な担当者がしっかりとプロジェクトを管理してくれる」という信頼感を醸成することが可能です。
3. マーケティング資産として長期活用できる
会社紹介動画は一度制作すれば、さまざまな場面で長期間にわたって活用できるマーケティング資産となります。Webサイトでの企業紹介、営業商談での信頼性向上、採用説明会での企業アピール、展示会ブースでの来場者向け説明、SNSでの企業認知度向上など、多岐にわたる活用が可能です。制作コストに対する投資対効果を最大化できる点が大きな魅力といえます。
効果的な会社紹介動画を作る3つのポイント
次に、成果につながる動画制作のための重要な要素について、3つの核心的なポイントから解説します。
1. ターゲット設定
ターゲットが曖昧なまま制作を進めると、メッセージが散漫になり、誰にも刺さらない動画になってしまう可能性があるため、ターゲットの明確化が重要です。
ターゲット設定では、まず主要なステークホルダーグループを整理し、その中から最優先に訴求したい相手を明確にすることが重要です。その上で、年齢、職種、課題、価値観などを具体化したペルソナを設定することで、より効果的な動画内容を企画できるようになります。
例えば創業5年のIT企業が採用動画を制作する場合、「20代後半から30代前半のシステムエンジニア経験者で、より成長性の高い環境でキャリアアップを図りたい人材」と具体的に設定します。このターゲット設定により、動画の内容は技術的な挑戦、成長機会、先輩エンジニアのキャリアパス、開発環境の充実度などに焦点を当てることになります。
2. 伝えたいメッセージの整理
ターゲット設定の次に重要なのが、核となるメッセージの整理です。会社紹介動画では多くの情報を伝えたくなりがちですが、視聴者の記憶に残るのは限られるため、重要なメッセージを厳選することが効果的です。
メッセージ整理のプロセスでは、まず企業の強みや特徴を洗い出し、その中からターゲットにとって最も価値のある要素を選択します。さらに重要なのは、抽象的な概念ではなく、具体的なエピソードや数値で表現することです。
例えば「社員を大切にする」というメッセージなら、「勤続20年以上の社員が全体の40%を占める」「年間休日125日で有給取得率85%」「社員の資格取得を会社が全額支援し、昨年は延べ50名が新しい資格を取得」といった具体的な事実で裏付けることで、説得力のあるメッセージとなります。
3. ストーリー設計・構成
優れた会社紹介動画は、単なる情報の羅列ではなく、視聴者を引き込むストーリーを持っています。ストーリー設計では、導入部分で視聴者の関心を引き、中盤で核となるメッセージを展開し、終盤で印象的に締める三幕構成が基本となります。
導入部分では、視聴者が「なぜこの動画を最後まで見る必要があるのか」を瞬時に理解できるフックが必要です。「創業当時は3人だった会社が、なぜ10年で従業員200名の企業に成長できたのか?」「お客様満足度98%を実現する秘密とは?」など、好奇心を刺激する問いかけから始めることが効果的です。
また中盤の展開部分では、設定したメッセージを具体的なエピソードや事例を通じて伝えます。ここで重要なのは「語る」のではなく「見せる」ことです。チームワークの良さを伝えたい場合、「当社はチームワークを大切にしています」と語るのではなく、実際の会議の様子、社員同士が協力してプロジェクトを進めている場面、困った時に自然に助け合う様子などを映像で見せることで、より強い印象を与えることができます。
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会社紹介動画の活用戦略
制作した動画を最大限に活用するための戦略についての具体的な手法を解説します。
活用シーン別の展開
会社紹介動画は様々なビジネスシーンで活用できる汎用性の高いツールです。主要な活用場面ごとの使い方を詳しく見ていきましょう。
【営業活動】
初回商談前のアイスブレイクや提案書への組み込みが効果的で、商談時間の自社説明を短縮しつつ標準化できます。事前に動画を送付することで相手企業に自社概要を理解してもらい、商談当日は具体的な課題解決により多くの時間を割けるようになります。
【採用活動】
求人サイト掲載、会社説明会上映、オンライン面接前の視聴により応募者の理解を深められます。特に新卒採用では、学生が重視する「社風」や「先輩社員の様子」を動画で紹介することで、優秀な学生からの応募獲得につながります。
【展示会】
短時間で多くの来場者に効率的な企業アピールが可能になります。ブース内で会社紹介や製品紹介といったプロモーション動画を上映することにより、担当者が商談中でも待機している見込み客へアピールできます。また大画面での上映は遠くからの注目を集め、ブースへの集客力向上にも貢献します。
活用タイミングとチャネル設計
顧客接点の各段階で適切な動画を配信することが重要です。認知段階では1~2分の短尺版をSNSで配信し、企業の特徴を端的に伝えて興味を喚起します。検討段階では5~8分のフル版をWebサイトで提供し、詳細情報を求める見込み客に対応します。決定段階では導入事例を含む信頼性訴求動画を提案書や最終プレゼンテーションで活用し、意思決定を後押しします。
長期的に使える構成・設計のコツ
動画を長期間活用するためには、制作段階から時間の経過による影響を受けにくい設計を心がけることが重要です。
登場人物の選定では、組織変更の影響を受けにくいポジションの社員を中心に構成します。管理職よりも現場のエキスパートや中堅社員を中心にすることで、人事異動による動画の陳腐化を防げます。撮影場所では、移転や改装の影響を受けにくい場所にします。
内容面では、具体的な数値よりも企業の根本的な価値観や技術的な強みに焦点を当てることで、時間が経過しても色あせない内容にできます。「昨年の売上50億円」は1年で古くなりますが、「お客様第一の理念」は長期間有効です。
次の章では、実際の制作事例を通じて、効果的な会社紹介動画の特徴について解説します。
会社紹介動画の成功事例6選
ここでは、会社紹介動画の成功事例を大きく3つの活用用途に分類して紹介します。企業ブランディングでの活用事例、採用活動での活用事例、商品・サービス紹介の事例が該当します。
1. 企業ブランディング
■日本ヒューレット・パッカード様 コンセプトムービー
企業の最先端技術力と革新性を印象的に表現したブランディング動画です。「No More Password」をテーマに、生体認証技術やセキュリティソリューションといった複雑な技術を、CGアニメーションで視覚的に分かりやすく表現。未来感のある映像により、同社の技術力の高さと革新性を効果的にアピールしています。
日本ヒューレット・パッカード様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
■アルテリア・ネットワークス株式会社様 アルテリアグループ Challenge動画
上場企業としての新たなブランドイメージ構築を目的とした企業ブランディング動画です。会社のテーマである「Challenge」を軸に、従来の企業紹介とは一線を画した印象的な映像表現を採用。視聴者に驚きと期待感を与える構成で、企業の成長性と挑戦的な姿勢を訴求しています。
アルテリア・ネットワークス株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
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2. 採用活動
■りらいあコミュニケーションズ株式会社様 新卒採用向け 会社紹介動画
新卒採用の会社説明会のため制作。業務内容のコンタクトセンターとコールセンターの違いの紹介や、社員に仕事内容や働くやりがいなどインタビューを行ったドキュメンタリー動画の構成となっています。
りらいあコミュニケーションズ株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
■丸善食品工業株式会社様 会社紹介動画
採用活動における企業認知度向上を目的とした会社紹介動画です。地方工場での実際の製造現場を撮影することで、事業内容をリアルに表現。アニメーションとナレーションを組み合わせ、初めて企業を知る学生にも分かりやすい構成にしています。
丸善食品工業株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
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採用活動における動画活用については、以下の記事で成功事例とあわせて詳しく解説しています。 |
3. 商品・サービス紹介動画
■マクニカネットワークス株式会社様 企業紹介 アタックムービー
展示会での効果的な企業アピールを目的としたアタックムービーです。セキュリティ製品やクラウド・ネットワーク最適化ソリューションなど、技術商社としての複雑な事業内容を短時間で印象的に表現。重要キーワードを散りばめた構成により、展示会来場者の注目を集める動画として活用されています。
マクニカネットワークス株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
■日本無機株式会社様 展示会向け 会社紹介動画
展示会ブースでの企業認知度向上を目的とした活用事例です。エアフィルタやクリーンルーム機器という専門性の高い製品を、既存の写真素材を活用しながら動きのある映像として再構成。通りがかりの来場者にも内容が伝わりやすい視覚的なデザインにしています。
日本無機株式会社様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。
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まとめ|会社紹介動画を活用して企業成長を加速する
会社紹介動画は、営業資料や採用サイトだけでなく、展示会・セミナー・株主総会など、あらゆるシーンで活用できるマーケティング資産です。営業力を強化し、採用力を高め、さらにブランド価値を伝えることで、ステークホルダーとの信頼関係を築く基盤となります。
また、一度制作した動画を複数のチャネルに展開することで、費用対効果を最大化し、競合との差別化を実現できます。デジタル化が加速する現代において、会社紹介動画は「企業の顔」として欠かせない存在になりつつあります。
当社では、豊富な制作実績とノウハウを活かし、企画から制作・運用・効果測定まで一貫してサポートしています。会社紹介動画の活用方法や導入を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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