【企業向け】動画を活用したSEO施策とは?BtoBマーケティングで成果を出す方法
BtoBマーケティングにおいて、WEB集客は見込み顧客との最初の接点として欠かせません。従来の訪問営業や展示会だけに頼るスタイルは薄れ、顧客が自発的にWEB検索や比較サイトを通じて情報収集を行い、取引先候補を絞り込んでから商談に臨むケースも増えています。
このような行動変化に対応するには、WEB上で自社の存在を的確に示し、発見されやすくする仕組みが必要です。そこで重要になるのがSEOです。単なるテキスト情報だけでは差別化が難しい現在、動画を取り入れたコンテンツ設計が自社の認知度を高め、見込み顧客を開拓する有効な手段として注目されています。
本記事では、SEOと動画を組み合わせることでBtoBマーケティングにどのような効果をもたらすのかを整理し、実践的な活用法と事例を紹介します。
動画を活用したSEOとは?基本的な考え方
動画SEOの基本概念と従来のSEO手法との関係性について解説します。
SEOの目的と動画の位置づけ
SEOの目的は、検索ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供し、検索結果での上位表示することです。その際、動画は、ユーザーの理解促進と満足度向上を図るコンテンツとして機能します。
検索エンジンは、近年、ユーザーエクスペリエンスを重視する傾向を強めており、特にGoogleはページの滞在時間や直帰率、エンゲージメント率といった行動指標を検索順位の決定要因として考慮しています。動画コンテンツは、これらの指標を改善する上で極めて効果的な手段となります。
動画とテキストを組み合わせるメリット
従来のテキスト主体のSEO施策では、キーワード密度や見出し構造、内部リンクの最適化が中心的な施策でした。一方で動画を活用したSEOは、これらの基本要素に加えて、視覚情報と音声情報を通じたユーザーエンゲージメントの向上が重要な評価軸となります。
テキストコンテンツが静的で詳細な情報提供に優れている一方、動画は感情に訴える訴求力と直感的な理解促進に長けています。この両者を戦略的に組み合わせることで、幅広いユーザーニーズに対応できるコンテンツが完成します。
なぜ動画コンテンツがSEOに有効なのか
動画コンテンツが検索エンジン最適化において効果を発揮する仕組みを、3つの側面から詳しく解説します。
1.滞在時間・直帰率の改善効果があるから
ユーザーに動画を視聴してもらうことで、WEBページの滞在時間と直帰率が改善します。Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーがページにどの程度満足したかを示す指標として、これらの行動データを重視しています。
一般的なテキスト記事では、ユーザーが必要な情報を見つけると即座にページを離れる傾向がありますが、動画の場合は内容の展開を追うために最後まで視聴する確率が高くなります。
2.Google検索での動画枠(リッチリザルト)活用できるから
Google検索結果で動画が表示される場合、通常のテキストリンクと比較して圧倒的に目立ちやすく、クリック率の向上に大きく貢献します。Googleは動画コンテンツを含むページに対して、サムネイル画像付きのリッチリザルトを表示することがあり、これによってページの視認性が向上します。
3.SNSや外部メディアからの流入が増加するから
動画コンテンツは、その視覚的訴求力とシェアしやすさから、ソーシャルメディアでの拡散効果が期待でき、外部サイトからのリンク獲得にもつながる可能性があります。これらの外部流入は、SEOの評価要因である被リンクの獲得と、ドメイン全体の権威性向上に貢献します。
またこの高いシェア率は、単純な拡散効果だけでなく、業界メディアやブログでの引用機会の増加にもつながります。特にBtoB分野では、専門性の高い動画コンテンツが業界紙やオウンドメディアで紹介されることで、質の高い被リンクを獲得できる可能性が高まります。
検索結果で上位を狙うための動画SEOのポイント
動画を活用したSEO施策で確実に成果を出すために、4つの具体的な最適化手法を解説します。ここでは世界一の検索エンジンであるGoogleで上位表示を狙うための施策について詳しく説明していきます。
1.タイトル・説明文・タグの最適化する
動画SEOにおけるタイトルと説明文は、動画特有の要素を考慮する必要があります。効果的なタイトルは、対象キーワードを自然に含みながら、視聴者の興味を引く具体性と緊急性を備えることが重要です。
タイトルの文字数は、YouTubeでは100文字以内、Googleの検索結果では約60文字までが表示されるため、重要なキーワードを前方に配置し、後方に補足情報を置く構造が効果的です。説明文については、最初の125文字程度が検索結果に表示されるため、この範囲内に動画の概要や主要キーワードを盛り込む必要があります。
2.サムネイルを設計してクリック率を向上させる
サムネイル画像は、検索結果やSNSでの表示において、ユーザーの注意を引く最初の要素として機能します。効果的なサムネイルの設計には、視認性、関連性、そして感情的訴求力の3つの要素が不可欠です。
視認性の観点では、高コントラストの色使いと読みやすいフォントサイズが重要です。モバイル端末での表示を考慮すると、サムネイル内のテキストは最小限に抑え、主要なメッセージは22pt以上のフォントサイズで表示することが推奨されます。
3.自社サイトの動画情報をGoogleに正しく伝える
Googleが動画の内容を正確に把握できるよう、動画に関する情報を整理して伝える仕組み作りが重要です。これは「構造化データ」と呼ばれる技術で、動画のタイトルや内容、再生時間などをGoogleが読み取りやすい形式で記載することを指します。
この設定を行うことで、検索結果に動画のサムネイル画像が表示されやすくなり、ユーザーの目に留まる確率が大幅に向上します。具体的には、動画のタイトル、説明文、サムネイル画像のURL、公開日、再生時間といった基本情報をWebサイトに追加します。さらに、動画で扱っているテーマや業界に関連するキーワードも併記することで、より関連性の高い検索で表示される可能性が高まります。
4.YouTubeを活用してプラットフォームを使い分ける
YouTubeは、世界第2位の検索エンジンとしての地位を持つプラットフォームです。YouTubeとGoogle検索で最適化を連携させることで、相乗効果的なSEO効果が実現します。
YouTube内でのSEO施策では、動画の初期エンゲージメント(アップロード直後の視聴数、コメント数、高評価数)が重要な評価指標となります。一方、自社サイトへの動画埋め込みでは、ページ滞在時間の改善と直帰率の低下に重点を置いた最適化が必要です。
SEO施策で有効な動画コンテンツの種類
効果的な動画SEO戦略を実現するために、3つのコンテンツタイプとその最適化手法を詳しく解説します。
1.サービス紹介動画によるリード獲得
サービス紹介動画は、潜在顧客が製品やサービスの価値を理解し、問い合わせや資料請求といった具体的なアクションを起こすきっかけを作る重要なコンテンツです。SEO効果を最大化するためには、検索ユーザーの情報収集段階に応じた内容設計と、適切なCTAの配置が不可欠です。
効果的なサービス紹介動画の構成は、問題提起から解決策提示、そして具体的な導入効果の順序で展開することです。特に冒頭で視聴者の課題に直接言及し、残りの時間で自社ソリューションがその課題をどのように解決するかを具体的に示すことで、高いエンゲージメントと問い合わせ獲得が期待できます。
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1.導入事例・インタビュー動画による信頼性強化
顧客インタビューや導入事例を紹介する動画は、第三者視点からの評価を通じてサービスの信頼性を高め、検討段階にある見込み客の不安を解消する効果があります。SEOの観点では、実際の顧客名や業界名、具体的な成果数値を含むコンテンツとして、ロングテールキーワードでの上位表示にも貢献します。
効果的な事例動画では、導入前の課題、選択理由、導入プロセス、そして具体的な成果という4つの要素を構成します。特に、動画のキャプションで業界特有の課題や専門用語を盛り込むことで、ニッチな検索クエリからの流入獲得も期待できます。
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3.セミナー動画による専門性アピール
ウェビナーや講演動画は、企業の専門知識と業界での権威性を示す強力なコンテンツとして機能し、「教育系検索クエリ」での上位表示に特に効果を発揮します。これらのコンテンツは一般的に視聴時間が長く、詳細な情報を求めるユーザーの満足度を高めることで、SEO評価の向上に大きく貢献します。
効果的なセミナー動画のSEO最適化では、内容の専門性とアクセシビリティのバランスが重要です。高度な専門知識を扱いながらも、業界初心者が理解できる構成にすることで、より幅広い検索クエリでの流入が期待できます。
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動画によるSEO施策が成功したユースケース
動画を使ったSEO施策の成果と成功要因を、ユースケースを通じて3つのパターンで分析します。
1.サイト流入数が増加したケース
製造業向けERPシステムを提供するL社は、製品機能を実際の製造現場で活用している様子を撮影した20分間のデモ動画シリーズを制作しました。この動画シリーズは、「導入検討編」「機能詳細編」「導入効果編」の3部構成とし、それぞれを独立したランディングページに埋め込みました。
実施から6か月後、対象キーワード群での平均検索順位が15位から4.2位に向上し、オーガニック検索からの月間流入数が850件から2,340件へと2.75倍に増加しました。特に「ERP 製造業 デモ」「生産管理 実際の使い方」といったロングテールキーワードでの流入が大幅に増加しています。
2.見込み客の検討フェーズを前進させたケース
マーケティングオートメーションツールを提供するM社は、動画を活用したリード育成プログラムを導入しました。「MAの基本概念」「業界別活用事例」「導入プロセス」の3段階で構成された教育型動画コンテンツを段階的に提供する戦略を採用しました。
施策実施から4か月後、問い合わせ総数は従来と同水準を維持しながら、商談化率が23%から47%へと2倍以上に向上しました。また、動画を完全視聴したリードの受注率が68%に達し、従来の平均受注率15%を大幅に上回る成果を実現しています。
3.検索順位の改善でブランドの認知向上したケース
クラウド型会計ソフトを提供するN社は、代表者自身が公認会計士の資格を持つ強みを活かし、「税務のプロが教える」というコンセプトで解説動画シリーズを制作しました。会計業務の効率化に関する実践的なアドバイス動画を継続的に投稿した結果、実施から8か月後に「クラウド会計ソフト おすすめ」での検索順位が圏外から6位まで上昇しました。
また、「N社 評判」といった指名検索が月間280件から1,450件へと5.2倍に増加し、ブランド認知度の向上が数値で確認できています。動画経由での新規登録ユーザーの継続利用率も87%と、他の流入経路と比較して20%以上高い水準を記録しました。
まとめ|動画を取り入れたSEO施策で競合に差をつける
動画を使ってSEO施策をする際に重要となるのは、Googleなどの検索エンジンに最適化しながら、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作ることです。検索エンジンに対しては、動画の詳細情報を正しく設定して動画コンテンツの価値を正確に伝え、ユーザーに対しては見て分かりやすい動画を通じて満足してもらえる体験を提供します。
一方で、動画でのSEO施策を成功させるには、動画制作から活用戦略や技術的な設定まで幅広い知識が必要です。さらに、SEO施策は継続的な改善と見直しが成果を左右する長期的な取り組みです。適切な専門パートナーとの協力により、成長し続ける仕組みを作ることが、競合他社との差別化を実現する方法となるでしょう。
当社は、2004年の創業以来、2,000社50,000件の動画制作実績を通じて蓄積したノウハウを基に、SEO効果を最大化する動画コンテンツの企画から制作、配信、効果測定まで一貫したサポートを提供しています。動画制作やSEO施策に関してお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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