近年、自社サービスを活用して顧客のビジネスに成果をもたらすことで、顧客成功体験を得てもらう「カスタマーサクセス」への注目度が増しています。カスタマーサクセスを実現するための手法としては、動画の活用が挙げられます。本記事では、カスタマーサクセスを増加させるための動画作成のポイントについて解説します。
カスタマーサクセスという概念を整理
「カスタマーサクセス(Customer Success)」とは直訳で「顧客の成功」を意味し、能動的に顧客へアプローチを仕掛け、自社サービスを活用して顧客に成功体験を得てもらうマーケティング手法のことです。カスタマーサクセスを実現するには、顧客とのコミュニケーションを密に取り、自社サービスを活用して「顧客がどのような成功を得たいのか」を明確化することがポイントです。
似た言葉に「カスタマーサポート」がありますが、顧客との関係性やアプローチの仕方という面で大きく異なります。こちらは基本的に、問い合わせが来てから行動を起こす受動的な姿勢であり、対応件数や問題解決度、顧客満足度などを指標とし、問題の収束および解決を目指す手法です。
一方、カスタマーサクセスは売り上げや解約率などを指標とし、顧客成功を目指して自社側からアクションを起こします。
カスタマーサクセス向上にはどんなメリットがあるのか?
カスタマーサクセスの向上により得られるメリットとしては、大きく分けて「長期的な関係性の構築」「持続的なサービス利用」「データの取得」「サービスの品質向上」の4つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
長期的で良好的な関係を築くことができる
AI・IoTやSNSなどが普及する現代では、顧客ニーズの変化により消費者行動が「所有」から「利用」へと移りつつあります。それに伴い、企業でも「購入前のセールス」から「購入後の体験」へと重要性がシフトし、顧客との長期的な関係性を築くことが収益拡大に必要な要素となりました。その点、カスタマーサクセスを向上させることで、自社サービスへのロイヤリティが上がり、成功体験を基に顧客との良好的な関係を構築できます。
持続的なサービス利用
継続的にサービスを利用してもらうことは、収益向上において欠かせないポイントです。特にサブスクリプションモデルでは、継続的な利用が事業継続を左右するほどの要素になり得ます。カスタマーサクセスの向上は、こうした持続的なサービス利用の実現にも寄与します。
データの取得
サービスを展開するプラットフォームによっては、顧客の行動データを取得することも可能です。顧客体験のデータを収集することで、顧客の特性を分析し、マーケティングに活用できるようになります。例えば、動画コンテンツを展開している場合、視聴データを基に顧客ニーズやコンテンツの課題点などを抽出できるため、収集したデータを品質改善に向けて活かせます。
サービスの品質向上
顧客が自社サービスで成功するために、マニュアルやレクチャーは重要な要素です。カスタマーサクセス向上に向けてレクチャー業務の効率化を行うことで、サービスそのものの品質向上へとつながります。例えば、動画を活用すればサービスの利用方法を視覚的に確認できるだけでなく、サービスのレクチャーを動画に任せられるため、誰に対しても均質かつ高品質な対応が可能です。
カスタマーサクセス向上には動画活用が最適!
カスタマーサクセスの向上にあたり、顧客との能動的なコミュニケーションがポイントとなりますが、現実的に一人ひとり対応することは難しいという課題もあります。特に重要となるレクチャー業務やマニュアルも、的確に伝えられなければネガティブな印象を与えかねないため、注意が必要です。
そうした課題を解決する手段としては、動画の活用が最適です。例えば、製品やサービスの使用方法を解説する場合、テキストや画像では確実に伝えることは難しいでしょう。その点、動画であれば視覚的に説明できるため、スムーズな理解を促せます。また、自社従業員が商品を開発するために行った研究や調査、商品開発への想いなどをインタビュー形式で動画化すれば、ブランディング効果も見込めるでしょう。
そのほか、定期的に自社の製品・商品・サービス・ツールなどを題材としたウェビナーを開催することも有効です。ウェビナーを通して、顧客とのコミュニケーションも図れるうえ、成功体験や問題点に関するヒアリングも実施していけます。
成功体験を具体的にイメージさせる
カスタマーサクセス向上につながる動画コンテンツを作成する際は、成功体験を具体的にイメージできる内容にすることが重要です。例えば、「実際にサービスを操作するレクチャー動画」や「サービスの利用によって、課題が解決されている様を提示するマニュアル動画」など、用途・状況に応じて適切な動画を用意することで、具体的な成功体験を顧客にイメージしてもらえます。
また動画活用については一般的に、「限られたリソースの中でカスタマーサクセスを提供すること」がポイントです。そのため、特定の個人ではなく顧客層をターゲットとする、汎用性の高い動画内容にしましょう。これにより、1本の動画で不特定多数の顧客に働きかけることが可能です。
重要なのは、「顧客が実現したいこと」を明確化することです。これにより、サービスを利用する中でぶつかりやすい壁や問題点を前景化しつつ、早急かつ適切に対応可能な方法を動画として提示できるのです。こうした動画を用いれば、顧客に成功体験をイメージしてもらえるため、長期的で良好な関係を築けるでしょう。
外注も大切な選択肢:気をつけるべき点とは?
近年ではさまざまな動画編集ソフトが提供されており、内製による動画制作も可能となっています。しかし、効果的な動画を制作するにはノウハウが必要であり、それを学ぶにも相応の時間やコストがかかります。そのため、必要に応じて外注を検討することも大切です。
ノウハウについては、動画編集技術自体よりも「マーケティングという観点で動画を作成できるかどうか」が重要です。動画は、顧客と自社との直接的な接点となります。そのため動画制作を依頼するなら、自社の製品やサービス、想定するターゲット層について深く理解してくれる会社が望ましいでしょう。
委託先を選ぶ際は、自社と同業種あるいは同業界での実績が豊富な、BtoB動画専門の制作会社がおすすめです。
また外注先候補については、扱える動画表現の豊富さもチェックしておくべきでしょう。ナレーションやアニメーション表現、インフォグラフィック、3D表現など、どのような伝え方ができるのかを事例に基づき吟味してください。外注先の選択は、動画が最終的に生み出す成果に大きく関わりますので、慎重に検討しましょう。
もう1つ外注時に外せないポイントが、予算についてです。予算は、あらかじめ明確に限界値を決めておくことが大切です。動画制作に必要な要素となるテロップや音声、使用するカメラの種類・台数といった要因で、コストは大きく変動します。予算の上限がわかっていれば、実現したいビジョンとの兼ね合いを踏まえつつ、予算内で完成させる方法を具体的に考えられるので、打ち合わせがよりスムーズに進みます。
まとめ
カスタマーサクセスの向上には、視覚的に情報を伝達できる動画の活用が効果的です。動画を活用することで、少ないリソースでも的確に顧客とのコミュニケーションを図れます。
動画を制作する際は、制作に関するノウハウを持つ会社へ外注することも1つの手です。特に重要なのは、同業種やBtoB向けの動画制作における豊富な実績と、マーケティングの観点を持った制作ができる点です。
BtoBに特化し豊富な実績を持つ「ヒューマンセントリックス」であれば、自社の課題や成し遂げたい成果を基に、相談・制作を行えるうえ、ウェビナーなど動画コンテンツのサポートも提供できます。動画の活用をお考えの際は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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