【企業向け】動画広告とは?|BtoBマーケティングで成果を出す方法と成功事例

 2025.09.08  株式会社ヒューマンセントリックス

【企業向け】動画広告とは?|BtoBマーケティングで成果を出す方法と成功事例


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企業向けの商品やサービスを扱うBtoB企業の多くが「認知拡大」や「見込み客の獲得」に課題を抱えています。従来のテキスト中心の情報提供では限界があり、視覚と聴覚に同時に訴求する動画広告が注目を集めています。しかし「成果を出せるのか?」と導入をためらう企業も少なくありません。本記事では、動画広告の基礎知識から、成果につなげるための活用戦略や実践ポイントまで、わかりやすく解説します。 

動画広告とは?BtoBマーケティングにおける基本

まずは、BtoBマーケティングにおける動画広告の基礎知識を押さえておきましょう。 

動画広告の定義と配信の仕組み

動画広告とは、動画コンテンツを活用して自社の商品やサービスを訴求する広告手法のことです。静止画やテキストに比べて情報伝達力が高く、視覚と聴覚の両方に働きかけることができます。
動画広告の配信先としては、YouTubeFacebookInstagramLinkedInなどが主流ですが、ニュースサイトなどのWebメディアにも配信できます。配信の仕組みは「インストリーム型(再生前・再生中・再生後)」「アウトストリーム型(SNSWebに直接表示)」などさまざまで、ターゲットに応じて使い分けることが重要です。

BtoBマーケティングで動画広告を使う3つのメリット 

従来の広告手法と比較して、BtoB動画広告が持つ3つのメリットを解説します。

1. 複雑な情報を短時間で伝えられる

BtoBの商品・サービスは複雑で説明が長くなりがちですが、動画広告なら視覚と聴覚を組み合わせることで、テキストだけでは伝わりにくい情報を短時間で効果的に伝達できます。たとえば、システムの操作画面を実際に見せながら説明したり、製造工程を映像で分かりやすく紹介することで、文字だけでは理解が困難な内容も直感的に理解してもらえます。

2. 精密なターゲティングが可能 

主要な動画配信プラットフォームでは、BtoBに特化したターゲティング機能が充実しています。LinkedInでは会社名、業界、企業規模、職種、役職レベルでの絞り込みが可能で、FacebookYouTubeでも年収や学歴、業界関連キーワードでの興味ターゲティングが利用できます。従来の展示会やDMと比べて、「従業員数100-1000名の製造業で技術部門の管理職」といった具体的なセグメントに対してピンポイントで広告配信できる点が大きなメリットです。

3. 長期的な関係構築に適している 

BtoBでは商談までのリードタイムが長く、複数の関係者が意思決定に関わるため、信頼関係の構築が重要です。動画広告はこの特性にマッチした段階的なアプローチが得意で、第一段階で業界課題に触れる「気づき」のコンテンツ、第二段階で「課題解決方法」を紹介する動画、第三段階で「導入事例」を示す動画といったように、フェーズを分けて構成することで見込み顧客との信頼関係を段階的に深められます。

動画広告で成果を出すための3つのポイント

動画広告を実施する上で押さえておきたい3つの設計ポイントを紹介します。

1. 目的設定と顧客の検討段階に合わせた動画設計 

動画広告を設計する際は、まず「どの段階の顧客へ訴求するか」、目的を明確にすることが重要です。例えば「認知」段階ではまだ商品・サービスを知らないため、興味を引くことが目的となり、数秒でインパクトを与える構成が求められます。一方、「比較検討」段階では複数の選択肢を検討しているため、詳細な情報を伝える構成が求められ、ストーリー性やスペック情報の伝達がポイントになります。

【関連記事】

動画制作の目的を整理し、成果につなげるための考え方については、以下の記事で解説しています。
【企業向け】動画制作の目的とは?目的設定の重要性と成果につながる考え方

2. 配信媒体ごとの特徴と最適化

動画の内容が決まったら、次はどこで配信するかを決める必要があります。
YouTubeは幅広い視聴者にアプローチでき、長時間の動画にも対応しています。Facebookは年齢や興味関心による細かいターゲティングが可能で、LinkedInは企業の管理職や意思決定者も多く利用しているため、BtoB向けのサービスに適しています。
また媒体によって適した動画広告の長さは変わってきます。媒体の特性と利用者の行動パターンを踏まえ、動画の長さ・トーン・訴求ポイントを調整することが重要です。

3. 動画クリエイティブの設計ポイント

広告である以上、視聴者の「離脱」を避ける工夫が不可欠です。具体例としては以下が挙げられます。

・冒頭の3秒で強い印象を与える
・複雑な表現は避け、シンプルな構成にする
・視覚的に伝わるイラストや図解を活用する
・スマートフォンでの視聴を想定し、字幕や縦動画も検討する

これらのポイントを押さえることで、視聴完了率や問い合わせ率の向上が期待できます。

動画広告の4つの活用シーン

BtoB企業が動画広告を実際のマーケティング活動にどう取り入れるか、4つの代表的な活用シーンに分けて紹介します。

1. Webマーケティングとの連携

動画広告は、LP(ランディングページ)やホワイトペーパー、SEO施策、セミナーなどと組み合わせて使うことで、Webマーケティング全体の接点を広げることができます。たとえば、検索で流入したユーザーに対してリターゲティング配信を行い、動画で印象付けてから資料請求につなげるといった流れが効果的です。

2. 他の広告との組み合わせ

リスティング広告やバナー広告など、他のWeb広告と組み合わせることで、ターゲットへの接触頻度を高められ、相乗効果を生みます。動画広告で印象を残し、検索連動型広告で再アプローチするなど、複数のタッチポイントで関心を深める設計が有効です。

3. 営業活動との連動

営業部門と連携し、狙いたい特定の企業に絞って動画広告を配信する手法も効果的です。これはABM(アカウントベースドマーケティング)と呼ばれ、あらかじめリストアップした企業の関係者にピンポイントで広告を届ける方法です。営業訪問前に企業内での認知度を高めたり、営業が直接会えない上層部の決裁者にもアプローチできるメリットがあります。また、商談で伝えきれない詳細情報を動画で補完することで、営業活動をより効果的にサポートできます。狙いたい企業リストを作成し、その企業の関係者に向けて配信することで、アポイント前の関心醸成や商談の補完施策として活用可能です。

4. 展示会・イベント前後での活用

展示会の前に広告を出して「来場誘導」、展示会後に広告を出して「フォローアップ」として活用することも有効です。
イベント出展に連動して動画広告を運用することで、リアルとデジタルを組み合わせた立体的なマーケティングが実現できます。

【関連記事】

展示会やイベントの動画については、以下の記事で解説しています。
【企業向け】展示会動画の活用法|集客・商談を加速する効果的な動画とは
【企業向け】イベント動画の活用戦略|成功に導く効果的な制作ポイントと活用方法

動画広告の効果を最大化するための設計・運用とは

動画広告を「出して終わり」にせず、継続的に改善していくための評価と運用の考え方を3つに分けて紹介します。

1. 動画広告のKPI設計と評価指標

動画広告の効果を測るためには、目的ごとにKPIを設定することが基本です。

【基本的な評価指標】
・再生数(Impression)
・視聴完了率(View-Through Rate)
・クリック率(CTR)
・コンバージョン率(CVR)

【目的別KPIの使い分け】 
・認知目的:再生数、視聴完了率を重視
・見込み客獲得目的:CTR、CVRを重視
・エンゲージメント目的:視聴時間、コメント数を重視

再生回数やクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)などの基本指標に加え、どの時点で離脱が多いかなどの視聴維持率も重要な評価材料です。
目的ごとにKPIを明確化し、指標を使い分けることが成果測定の第一歩となります。

2. BtoBならではの“リード化までの遅延”を前提にした評価

BtoBでは「広告を見たすぐ資料請求」というケースは稀であり、商談や成約までのリードタイムが長い傾向にあります。そのため、広告単体ではなく「中間指標(接触回数・ページ遷移・視聴時間など)」を追う視点が不可欠です。
動画広告を起点としたコンテンツ接触ログや、Web閲覧の流れも合わせて分析することで、成果への貢献度を正しく評価できます。

3. PDCAを回すための“レポートの読み方”と改善方法

動画広告は配信後のデータ分析と改善が重要です。効果測定では、視聴者がどこで動画を見るのをやめたかや、どんな人により反応が良かったかを詳しく調べることができます。
このデータをもとに、A/Bテストで異なる訴求内容の動画を比較したり、配信媒体別の効果を検証することで、効果的な改善サイクルを構築できます。
特に重要なのは、レポート上の「離脱ポイント」や「視聴完了率の推移」を分析し、視聴者がなぜその時点で離脱したのかを仮説立てて検証することです。これらの分析結果をもとに動画の構成や演出、行動喚起の見直しを進めることで、長期的かつ継続的な成果向上を実現できます。

動画広告の事例 

YoutubeやSNSなどに活用する目的で制作された動画を紹介します。

シスコシステムズ合同会社様 仁義なき戦い - クラウド電話で電話番を時代遅れに

クラウド電話サービスを訴求するために制作されたプロモーション動画です。
この動画は一体何の動画なんだろう、と興味を惹く構成にし、Youtubeや各種SNS、電車内の広告等にご使用いただいております。
シスコシステムズ様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。

システムインテグレータ様 TOPSIC紹介動画

プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」の特長を、視覚的にわかりやすく伝える紹介動画です。 YouTube広告での使用を想定し、制作しており、大きなテロップ・雰囲気に合ったBGMを入れることで、動画に興味を持つ視聴者を増やすねらいがございます。
システムインテグレータ様の事例について詳しくはこちらをご覧ください。

株式会社アール・アンド・エー・シー様 入金消込・債権管理システム「V-ONEクラウド」 プロモーションビデオ

会計・経理部門向けクラウドサービスを紹介する動画広告事例です。煩雑な入金消込業務という課題を提示し、サービス導入による効率化の効果をストーリー形式で伝えています。動画は、展示会やYoutube広告などでご利用想定があったため、 短い時間で、アイキャッチできるように、 インパクトのある表現を追求しました。
株式会社アール・アンド・エー・シー様の事例について詳しくはこちらをご覧下さい

まとめ|動画広告を単発施策で終わらせないために

動画広告は、BtoB企業にとって認知拡大から見込み客獲得まで幅広く活用できる強力な手段です。しかし、「配信すること」自体を目的とせず、誰に何を伝えたいのか、どの段階でどんな効果を狙うのか、他の施策とどう連動させるのかといった戦略設計を明確にし、配信・改善を繰り返すことで確実な成果を実現できます。まずは小規模でのテスト配信から始めて最適化することが成果へつながります。
当社では、広告用の動画制作だけでなく、どういった広告戦略を行えば良いのかという企画からご提案まで対応可能です。BtoBビジネスでの動画広告や見込み客獲得といった施策をご検討中の方は、豊富な実績と専門知識を持つ当社まで、ぜひご相談ください。


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