【企業向け】 ショート動画の活用法|BtoB企業が成果を出す活用
近年、「ショート動画」がビジネスの世界でも急速に注目を集めています。
15秒〜60秒ほどの短尺で情報を伝えるこのフォーマットは、もともとSNSを中心に発展してきましたが、スマートフォン視聴の浸透やユーザーの視聴スタイルの変化を背景に、BtoB領域でも活用が広がりつつあります。従来の長尺動画では初回接触時に離脱されがちでしたが、ショート動画は複雑な商材やサービスをわかりやすく伝える“入り口”として機能し、視聴者の関心を効果的に引きつけることが可能です。本記事では、BtoBでショート動画を活用する際の基本的な考え方から、具体的な活用法や制作のコツまで、成功事例を交えてわかりやすく解説します。
ショート動画とは?BtoB企業が知るべき基本知識
ここでは、BtoB領域でのショート動画の定義と特徴を、3つ解説します。
1. ショート動画とは何か
ショート動画とは、15秒〜60秒前後の短い尺で構成される、情報伝達に特化した動画コンテンツです。SNSのタイムライン上で自然に流れるようなフォーマットが中心で、ユーザーが思わず“立ち止まって見てしまう”構成や、最後まで飽きさせないテンポの良さが特徴です。
2. 従来の動画との違い
従来の動画では、ストーリー展開や段階的な説明に重きを置くことが一般的でした。
しかし、ショート動画では、視聴者は興味がないとすぐにスキップするため、冒頭の約3秒で視聴者の関心を引く必要があり、初動の印象がそのまま離脱率や成果に直結します。また、1本のショート動画ですべてを伝える構成にこだわるのではなく、短い動画を複数本用意し、シリーズとして段階的にメッセージを届ける設計も有効です。これにより、継続的な接点を生み出すことが可能になります。
3. ショート動画が普及した背景
ショート動画の普及は、スマートフォンの急速な普及とSNSによる情報接触の変化が大きな要因です。「時間をかけてじっくり観る動画」から、「短時間で判断できる動画」へと、視聴行動自体がシフトしています。特に近年では、世代を問わず限られた時間で効率的に情報を得たいという“タイムパフォーマンス”重視の考え方が浸透し、この流れを後押ししています。
BtoBでショート動画が注目される3つの理由
ここでは、BtoB企業がショート動画を活用する際に知っておきたい“特徴的な強み” を、3つの理由に分けて解説します。
1. 情報収集行動の変化にマッチしているため
BtoB企業における情報収集も、Web検索やSNSが当たり前のように利用されるようになり、忙しいビジネスパーソンほど「短時間で要点を把握できるコンテンツ」を求めています。
ショート動画は、数十秒で印象的な情報を届けられるフォーマットとして、静止画やテキストよりも優位性があります。特に、ショート動画を入り口として活用し、視聴者をホワイトペーパーやWebページ、長尺動画へとつなげる設計が効果的です。
これは、視聴者へ短く端的な動画で「興味を喚起する」ことで、次の行動を自然に促すという点で、BtoBマーケティングにおいて非常に相性が良いといえます。
2. 意思決定を後押しする「掴み」を持つため
BtoBの購買には複数の関係者が関与し、比較・検討のプロセスが長期化する傾向にあります。
そのため、最初の接点でいかに関心を引けるかが、購買フェーズへの移行を左右します。
ショート動画は、製品やサービスの要点・メリットを「端的に伝える」役割を担うと同時に、視聴者に“この先も知りたい”と思わせる「導線強化ツール」としても有効です。
例えば、1分のショート動画で製品概要に触れたあと、詳しいサービス紹介や導入事例を紹介する長尺動画へ遷移させるといった導線設計が、BtoB施策でも実際に成果を上げています。
3. 少ない工数で複数チャネルに展開可能なため
ショート動画は、長尺コンテンツ(セミナー、製品紹介、インタビューなど)を元に、要点を切り出す形で効率的に制作できます。この「切り出し型」の制作スタイルにより、少ない負担で複数本のバリエーションを展開できるため、継続的な情報発信にもつながります。さらに、Webサイト・営業資料・展示会のブース映像・SNS広告など、チャネルごとに最適化された形で柔軟に流用できるのも大きなメリットです。単発の映像ではなく、マーケティング全体の流れの中で「接点づくり → 関心喚起 → 詳細確認」までを連動させる役割として、ショート動画の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
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セミナー、サービス紹介、インタビュー動画に関して詳しくは以下もご覧ください。 |
ショート動画の主なプラットフォームと用途
ここでは、BtoBビジネスでのショート動画活用に適したプラットフォームと、その特徴的な用途を整理します。目的に合わせて使い分けることで、配信効果を最大化できます。
以下にプラットフォームごとの特徴をまとめました。
プラットフォーム |
最大動画長 |
BtoB適性 |
得意分野 |
アプローチできるユーザー層 |
YouTube Shorts |
60秒 |
◎ |
検索流入・ブランド認知・製品理解 |
全年代・決裁者層 |
Instagram Reels |
90秒 |
○ |
企業文化発信・視覚的訴求・信頼醸成 |
20-40代・若手~中堅 |
TikTok |
10分 |
△ |
カジュアル発信・次世代アプローチ |
10-20代・若手社員 |
X |
2分20秒※ |
○ |
リアルタイム発信・速報・拡散 |
20-50代・情報感度高層 |
・YouTube Shorts
YouTubeショートは企業アカウントでの検索流入や関連動画表示を通じて、ブランド認知や製品理解を促進できます。ショート動画はアルゴリズムによる表示対象になりやすく、BtoBにおいてもリーチ拡大の第一歩として有効です。特に、長尺の事例動画やセミナー動画への「導線」としての活用に適しています。
・Instagram Reels
Instagramリールは視覚的な訴求に強く、製品の使用感や現場の雰囲気、社員の人柄などの“空気感”を伝えるのに向いています。採用広報やカルチャー発信のほか、営業・マーケティング活動においても信頼感を醸成する素材として活躍します。
・X(旧 Twitter)
Xは速報性と拡散力が強く、ショート動画はキャンペーン告知やイベント速報、最新情報の共有に適しています。ハッシュタグやトレンドとの連動により、短時間で多くのユーザーに届けられるため、情報発信のスピードと広がりを重視する施策で効果を発揮します。
・TikTok
TikTokは決裁者層というよりは若手社員や次世代ユーザーにアプローチするチャネルとして有効です。業界の堅いイメージを払拭するカジュアルな情報発信や、新しい視点での自社ブランディングに挑戦する場として活用できます。
ショート動画の活用シーン|BtoBビジネスで成果を出す具体例
ショート動画がBtoBの現場で成果につながる具体的な活用シーンを3つ紹介します。集客、導線設計、コンバージョン改善など、用途別に見ていきましょう。
1. セミナー・展示会の告知で集客強化
セミナーや展示会の集客では、「中身に興味を持ってもらえるか」が最大の課題です。ショート動画は、開催内容の見どころを30秒で伝えることで、“参加するメリット”をわかりやすく訴求できます。特にSNSやWeb広告に載せることで、静的な画像や文章よりも圧倒的に視認性が高まり、参加率の改善につながった例も少なくありません。特にSNS広告では年代・職種・業界などの詳細な条件で配信先を絞り込めるため、来場属性や開催日程に合わせた効率的な集客も実現できます。
2. 長尺動画への導線として活用し、視聴完了率UP
5分以上の動画は、内容がどれだけ良くても「長いから後で見よう」と感じさせてしまうリスクがあります。特にインタビューや解説動画は長尺となる傾向です。
そこでショート動画で要点やハイライトを先に伝えることで、視聴への心理的ハードルを下げることができます。ショート動画で興味を持ってもらうことで、本編の再生完了率が向上し、理解度が深まったり興味喚起へとつながります。
3. 資料ダウンロードの販促
資料やホワイトペーパーのダウンロードページで、バナーやテキストだけでは反応が鈍いと感じたことはないでしょうか。ショート動画を使えば、「何が書いてあるのか、読むとどんなメリットがあるのか」を15秒~数十秒で明快に伝えることができます。また、SNSやメルマガでの導線として活用することで、コンバージョン率が2〜3倍に改善したケースもあります。
ショート動画は「その場で完結させる」のではなく、セミナー、動画、ホワイトペーパーなど、他の施策と組み合わせて“集客装置”として活用することで、成果につながる、より大きな効果を発揮します。
ショート動画制作の5つのポイント
BtoBのショート動画で成果を出すための、制作する際に押さえておきたい5つのポイントを解説します。企画段階から配信設計まで、成果を意識した作り方を確認しましょう。
1. 目的は誘導と割り切る
BtoBにおけるショート動画は、1本だけで購買や成約といったコンバージョンを完結させるものではなく、あくまで「興味のきっかけ」を作るものです。重要なのは「何のためにこの動画を見せるのか」を明確にし、視聴後にどの行動を取ってもらいたいかを設計することです。ショート動画単体で購買決定を促すよりも、視聴者を次のステップ(資料請求や問い合わせ、詳細ページの閲覧、長尺動画の視聴、イベント参加など)へ誘導する流れを組むことで、最終的なコンバージョンに結びつきやすくなります。
2. 冒頭3秒で誰に・何を伝えるかを明確にする
ショート動画の多くは、スクロール中になんとなく再生され、3秒以内にスキップされます。
そのため、冒頭で誰に向けたどのような趣旨の動画か、明示することが重要です。
たとえば「営業成果を2倍にした事例とは?」や「製造業の課題を30秒で解説」といったキャッチの効いたテロップと映像表現を組み合わせることで、視聴者の関心を一気に引き寄せます。
3. 伝える情報は絞る
ショート動画は尺の都合上、情報過多になると逆効果になりがちです。
製品の特長をすべて盛り込むのではなく、「今回は●●の魅力だけを伝える」など、主張を絞って設計することが、好印象を残し、成果へつながります。
1動画=1メッセージと割り切り、他の訴求ポイントは別動画で展開するのも有効な戦略です。
4. 映像・音声・テロップの一体設計
視聴者はスマートフォンで“音なし再生”している事も多く、その場合、音声に頼った演出だけでは情報が伝わりません。
そのため、映像・テロップ・アイコンなどの視覚要素で情報を伝える工夫が必要です。
逆に音声がある場合は、ナレーションと映像のタイミングをシンクロさせることで、より印象的に伝えられます。どのメディアでも視聴者に伝わる設計を意識しましょう。
5. 長さとトーンは視聴シーンで変える
ショート動画といっても、使う場面によって求められる演出や長さは異なります。
代表的な例を挙げると以下の通りです。
・SNS広告:15秒前後、テンポ重視+明るいトーン
・展示会モニター:無音ループ再生、アイキャッチ重視
・営業現場用:やや落ち着いたテンポ、解説要素を強調
このように、視聴環境やターゲット層に合わせて“最適なフォーマット”を調整することが成果の鍵となります。
まとめ|BtoBでも成果を出すショート動画活用のすすめ
ショート動画は、BtoCだけでなくBtoBの現場でも成果を発揮しています。セミナーや展示会の集客、Webサイトやホワイトペーパーへの導線設計、長尺動画の前振りなど、活用の幅は広がっています。鍵となるのは「動画1本で完結させる」のではなく、“次の行動を促す”設計にすることです。特に専門性が高く複雑な商材を扱うBtoBでは、最初の数秒で興味を持たれるかどうかが商談化の分岐点になります。いま求められているのは、短い時間でも的確に要点を届ける「短尺で伝える力」です。ショート動画のメッセージや構成を練ることは、そのまま貴社のマーケティング全体のメッセージを見直すきっかけにもなります。
当社では、BtoBに特化したショート動画の企画・制作にも多数の実績がございます。
「新しい動画活用にチャレンジしてみたい」「展示会や営業で使える短尺コンテンツを作りたい」といったお考えがございましたら、貴社の目的に合わせたご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
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