企業展示会というビジネスチャンスの場で、多くの企業が自社のサービスや製品を効果的にアピールする方法を模索しています。限られたブーススペースで競合他社と差別化を図り、来場者の記憶に残すことができるツールが「展示会動画」です。本稿では、展示会における動画活用の種類から活用シーン、制作のポイントまで、実践的なノウハウをご紹介します。
展示会動画とは?
展示会動画とは、展示会の事前告知から当日のブース内での放映、そして事後のフォローアップまで、展示会活動の全プロセスを支援するために制作される映像コンテンツです。企業PRはもちろん、展示会参加者の興味をひいたり、見込み客に製品の価値を効果的に伝えて具体的な商談へと導いたりすることができます。
【関連動画】 |
動画を制作するメリットに関して詳しくは「いまさら聞けない動画コンテンツのメリット」をご覧ください。 |
展示会動画の重要性とは?
展示会では限られた時間とブースの中で、いかに多くの見込み客とコンタクトを取り、商談につなげるかが成功の鍵となります。展示会動画はブース外の人の目に留まったり、興味を引き出すきっかけになったりするなど、展示会の効果を大きく高めることができます。
人間は文字情報よりも視覚情報の方がはるかに速く処理でき、動画で見た情報は読んだ情報よりも高い記憶定着率があるとされています。この特性を活かした動画は、限られたブーススタッフでは対応しきれない来場者にも自動的に情報を届けられるという利点も持っています。
展示会動画の種類
よく制作される展示会動画の種類と活用用途を次のとおり解説します。
動画の種類 |
一般的な長さ |
概要・用途 |
告知動画 |
30秒~2分 |
展示会の魅力や見どころを伝え、参加を促進する動画。主に展示会前に公開される。 |
ティザー動画 |
15秒~1分 |
詳細を明かさず視聴者の興味を喚起する動画。謎めいた演出で期待感を高める。 |
アタックムービー |
30秒~1分 |
セッションや製品発表の直前に上映し、その重要性を強調する動画。注目を集める役割を持つ。 |
導入事例インタビュー動画 |
2分~5分 |
実際のユーザーの体験談や導入効果を紹介する動画。説得力のある情報源となる。 |
製品紹介動画 |
1分~3分 |
製品の特徴・機能・使用方法を詳しく紹介する動画。デモンストレーションと併用される。 |
会社紹介動画 |
2分~5分 |
企業の歴史・理念・事業内容を紹介する動画。企業への理解と信頼構築に役立つ。 |
アーカイブ動画 |
イベント全長 |
イベント全体や各セッションを記録した動画。後日視聴用に提供される。 |
以下に詳細を説明します。
告知動画
展示会の開催前に配信する告知動画は、自社の出展情報や展示内容を紹介し、ターゲットとなる見込み客の来場を促すことを目的としています。短時間で視聴者の興味を引き、「この展示会に行けば何か得られそうだ」と思わせる内容が効果的です。
ティザームービー
ティザームービーは、製品やサービスの一部を意図的に隠しながら、視聴者の興味や期待感を高めることを目的とした動画です。「新製品発表」や「革新的なサービス」などと予告しながら、具体的な詳細は展示会場で公開するというアプローチで、見込み客の来場意欲を高めます。
アタックムービー
アタックムービーは、展示会場で来場者の注目を集めるための強いインパクトを持った動画です。派手な映像効果や音響効果を使用し、通路を歩く来場者の足を止めさせることを第一の目的としています。
導入事例インタビュー動画
導入事例インタビュー動画は、実際に製品やサービスを利用している顧客の声を紹介する動画です。第三者の視点から製品やサービスの価値を伝えることで、信頼性や説得力が高まります。
製品紹介動画
製品紹介動画は、自社の製品やサービスの特長や機能、使用方法などを具体的に説明する動画です。展示会ブースでの説明を補完し、詳細情報を効率的に伝えることができます。
会社紹介動画
会社紹介動画は、自社の企業理念や歴史、事業内容、強みなどを紹介する動画です。製品やサービスに加えて、企業としての信頼性や独自性をアピールすることが目的です。
こうした企業の商品やサービス、ブランドイメージといった情報を届ける動画コンテンツは企業VPと総称されます。
【関連動画】 |
企業VPに関して詳しくは「企業VP(ビデオパッケージ)とは?その目的やメリットを解説」もご覧ください。 |
展示会での動画の活用シーン
展示会動画は、展示会の各段階で異なる役割を果たします。それぞれの段階に応じた適切な動画活用が、展示会全体の成功に大きく貢献します。
開催前
展示会開催前の段階では、告知や集客を目的とした動画が効果的です。自社が展示会に出展することをアピールし、どのような製品やサービスを展示するのかどのようなメリットがあるのかを事前に伝えることで、ターゲットとなる見込み客の来場を促進します。
例えば医療機器メーカーであれば、新製品のティザー動画を展示会の1ヶ月前からSNSで配信することで、予約商談数が前回比で増加したといった効果があります。
開催本番
展示会当日のブース内では、目的に合わせた動画を使い分けることが重要です。まずは通路を歩く来場者の目を引き、ブースへの立ち寄りを促すためのアイキャッチ動画を設置しておく。次に、立ち止まった来場者に対して製品やサービスの概要を説明する製品紹介動画というように、来場者の関心度に合わせて複数の動画を用意することで情報をスムーズに伝えられます。
開催後
展示会終了後も動画の活用価値は続きます。展示会の様子や自社ブースの盛況ぶりを記録した動画は、SNSやウェブサイトでの配信に活用できます。また、展示会で接触した見込み客へのフォローアップとして、より詳細な製品情報や導入事例を動画で提供することで、商談の促進や成約率の向上につながります。
展示会動画の制作のポイント
効果的な展示会動画を制作するためのポイントを解説します。
伝えたいテーマやコンセプトを明確にする
展示会動画を制作する際には、まず「何を伝えたいのか」というテーマやコンセプトを明確にさせるることが重要です。製品の機能なのか、導入メリットなのか、企業としての強みなのか、焦点を絞ることで効果的なメッセージ伝達が可能になります。
参加者の目線で制作する
展示会動画は、ターゲットとなる参加者の知識レベルや関心事、視聴環境を考慮して制作することが重要です。専門用語や業界特有の表現は、参加者の知識レベルに合わせて適切に使用するよう心がけましょう。また展示会場では動画の音声がクリアに聞こえるとは限りません。テロップを入れて文字でも伝えるといった見やすさに配慮しましょう。
展示会動画のメリット
展覧会動画には、主に以下のメリットがあります。
展示会出展の宣伝と集客での活用できる
展示会前の宣伝と集客は、展示会成功の第一歩です。動画を活用して効果的な事前告知を行うことで、ターゲットとなる見込み客の来場を促進できます。
立ち止まっていただくためのきっかけをつくる
展示会の場内では、通路を歩く来場者の興味を喚起して、ブースへの立ち寄りを促すことが重要です。アイキャッチとしての動画活用が効果的です。
複雑でわかりにくいものをわかりやすく伝える
技術的に複雑な製品やサービス、目に見えない価値や効果を持つソリューションなどは、言葉だけでの説明が難しい場合があります。動画を活用することで、これらを視覚的に分かりやすく伝えることが可能です。
参加者の心を掴む展示会動画で出展効果を最大化しよう
展示会動画をうまく活用することで、限られた時間の中で展示会の効果を最大限に引き出すことができます。さらに動画は一度制作すれば継続的に活用できる資産にもなります。
他社との差別化を図り、展示会で最大の成果を上げたいとお考えの方は、豊富な実績を持つヒューマンセントリックスにぜひご相談ください。動画制作だけでなく、展示会の企画から制作・運営までワンストップでサポートいたします。
<問い合わせ先> https://www.humancentrix.com/contact
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- 展示会動画制作