コラム

【企業向け】X(旧Twitter)で拡散するためには? BtoBマーケで成果へ導く方法


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BtoB企業のマーケティング担当者にとって、X(旧Twitter)は無視できないプラットフォームです。拡散力に優れているため、投稿が多くの人に共有される、いわゆる「バズる」状態を作り出せれば、適切に活用すれば認知拡大からリード獲得まで幅広い成果を生み出せます。
しかし、BtoC企業のアプローチとは異なり、業界特有の専門性や信頼性を担保しながら拡散を促す戦略が必要です。本コラムでは、X拡散の基本的な仕組みから、BtoB企業が実践すべき動画活用術、投稿のコツ、成果につなげる導線設計まで、具体的なノウハウを解説します。

X(旧Twitter)の拡散とは?基本の仕組みを理解する

Xで拡散を戦略的に行うために、まずは拡散の仕組みとエンゲージメントの関係性を理解する必要があります。

1. Xの拡散構造(リポスト・引用・アルゴリズムの基本)

Xで拡散されるには「リポスト」と「引用ポスト」されることが必要です。リポストは投稿をそのまま共有され、引用ポストはコメントを添えて共有されることを差します。この2つが組み合わさることで、投稿ポストが指数関数的に広がります。
例えば、SaaS企業の新機能リリース投稿を業界インフルエンサーが引用ポストすれば、そのフォロワー数千人に情報が届き、さらにリポストが連鎖すれば想定外の層にまでリーチできます。
また、Xのアルゴリズムは「エンゲージメント率」を重視します。投稿後の短時間で「いいね」「リポスト」「返信」を多く獲得した投稿は、フォロワー以外のタイムラインにも表示され、さらなる拡散を生む好循環が生まれます。

2. 拡散が起こるメカニズムとエンゲージメントの関係

人がリポストや引用をする理由は主に3つです。

  • 価値ある情報を共有したい
  • 自分の意見を表明したい
  • 話題に参加したい

BtoB企業は特に1つ目の「価値ある情報を共有したい」という欲求に応えることが重要です。業界のトレンド分析や実務ノウハウなど、見た人が「これは役立つ、周囲にも教えたい」と感じる価値を提供できれば、自然と拡散が起こります。また、リプライ(返信)や質問に丁寧に対応することで、コミュニケーションが活性化し、アルゴリズムからも評価されやすくなります。

BtoB企業がX拡散に取り組むべき理由

X拡散の重要性とマーケティングプロセスへの組み込み方を2つの視点から解説します。

1. BtoB企業がXを活用するメリット

BtoB企業がXを活用する最大のメリットは、意思決定者や専門家に直接リーチできる点です。Xのユーザー層は多岐にわたるため、質の高い投稿は各業界の実務者や経営層の目にも留まります。
さらにXは拡散性が高く、投稿が自然に広がる「バズった」状態となれば認知を拡大でき、限られたリソースで大きな効果を狙えます。また、リアルタイム性が高いため、イベントとの相性も抜群です。

2. BtoBマーケティングにおける拡散の役割

BtoBマーケティングは「認知興味検討購買」という購買プロセスをたどります。Xでの拡散が特に力を発揮するのは「認知」と「興味」の段階です。
認知段階では、Xでの拡散がこれまで接点のなかった潜在顧客にリーチする手段として有効です。たとえば「製造業の在庫管理で起こりがちな5つの課題」という投稿が業界コミュニティで拡散されれば、自社を知らなかった担当者にも情報が届きます。
興味段階では、動画やインフォグラフィックで製品の価値を視覚的に訴求できます。これが拡散されることで「このサービスなら自社の課題を解決できるかもしれない」という興味が醸成され、次のアクションへとつながります。重要なのは、拡散そのものを目的化せず、その先の行動につなげる導線を設計することです。

BtoB企業がXを活用すべき4つのビジネスシーン

BtoB企業がX拡散を効果的に活用できる代表的なビジネスシーンを4つ紹介します。

1. 新製品・サービスリリース情報

新製品やサービスのローンチ時には、短期間で認知を獲得する必要があります。Xで拡散することができれば、プレスリリースやメールだけでは届かない層にもアプローチできます。特に動画を添付して、製品の特長を15秒程度の短尺動画にまとめて投稿すると、視覚的なインパクトで拡散されやすくなります。

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サービスや製品の魅力をわかりやすく伝える動画の活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
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2. 展示会・セミナーなどイベント告知

イベント専用のハッシュタグを設定し、開催前Xで情報発信を続けることで、参加者はもちろん参加者以外にも情報発信できます。また、当日の様子を動画で投稿すれば、参加できなかった人にもイベントの雰囲気や内容を伝えられ、次回開催時の集客にもつながります。

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3. ウェビナー・ホワイトペーパー誘導

ウェビナーやホワイトペーパーをXで告知する際、単なる宣伝投稿ではなく、扱うテーマの一部をティザー的に紹介すると効果的です。たとえば「来週のウェビナーでは、導入企業の業務効率が平均30%向上した事例を公開します」といった具体的な情報を添えることで、興味を引き、参加を促せます。有益な情報は自然と拡散され、認知拡大にもつながります。

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4. 採用広報や企業ブランディング

社員インタビュー動画や社内イベントの様子を投稿することで、企業文化や働く環境をリアルに伝えられます。こうした投稿が社員によってリポストされれば、そのネットワークを通じて潜在的な求職者にもリーチでき、採用チャネルの拡大につながります。

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BtoBアカウントが拡散される投稿を生み出すために押さえるべきこととは

投稿そのものの質を高めることも、拡散を促進する重要な要素です。BtoBアカウントが意識すべき3つの投稿のコツを解説します。

1. 価値提供できる内容にする

BtoBアカウントの投稿で最も重視すべきは、読者にとっての「価値」です。単なる製品紹介や宣伝ばかりでは、フォロワーは離れていきます。
業務に役立つノウハウ、意外な視点からの気づき、最新の業界トレンド解説など、読者が「これは役に立つ」「自分のネットワークにも共有したい」と感じる内容であれば、自然と拡散が起こります。
例えば、人事労務システムの企業が「テレワーク時代の勤怠管理で見落とされがちな法的リスク3選」という投稿をすれば、人事担当者にとって実務に直結する価値があり、保存やリポストされる可能性が高まります。
自社の専門性を活かした情報提供を軸にすることで、信頼と拡散の両方を獲得できます。

2. 投稿タイミングと頻度を最適化する

どれだけ質の高い投稿でも、タイムラインに埋もれてしまえば拡散には至りません。BtoB企業の場合、ターゲットとなるビジネスパーソンがXをチェックしやすい時間帯を狙うことが重要です。通勤時間帯の朝7時から9時、昼休みの12時から13時、帰宅後の夕方18時から20時などは、スマートフォンを手にする機会が多く、投稿が目に留まりやすいタイミングです。
また、投稿頻度も重要です。週3回から5回程度、定期的に投稿することで、フォロワーの記憶に残りながらも煩わしさを感じさせないバランスを保てます。X内蔵のアナリティクス機能を活用し、自社のフォロワーが最もアクティブな時間帯や、エンゲージメントが高かった投稿の傾向を分析することで、精度の高い運用が可能になります。

3. ハッシュタグとビジュアルで視認性を高める

ハッシュタグは、フォロワー以外のユーザーにもリーチするための重要な手段です。ただし、無関係なハッシュタグを大量に付けるのは逆効果です。投稿内容に直接関連する業界タグやイベントタグを2つから3つ程度に絞り込むことで、興味を持つ層に確実に届けられます。
ビジュアル要素も見落とせません。テキストのみの投稿よりも、画像や動画を含む投稿の方がエンゲージメント率の向上へつながります。グラフやインフォグラフィック、製品画像、イベント写真など、投稿内容を補強するビジュアルは積極的に添付しましょう。
特に、拡散を促すならば動画はタイムラインでの注目を集めやすいため有効です。次は、X拡散において特に効果的な動画制作のポイントを解説します。

X拡散の効果を高める動画制作のポイント

X拡散において、動画コンテンツは強力な武器となります。効果的な動画制作の4つのポイントを紹介します。

1. 短尺動画で注目を集める

Xユーザーの多くは隙間時間にタイムラインを眺めています。そのため、15秒から30秒程度の短尺動画が理想的です。冒頭3秒で興味を引くビジュアルや問いかけを配置し、最後に明確なメッセージを提示する構成が効果的です。

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2. アニメーション動画で複雑な情報を伝える

BtoB商材は仕組みが複雑で、テキストや静止画では理解しづらいケースが多々あります。クラウドサービスのデータフローやシステム連携の仕組みをアニメーションで視覚化すれば、専門知識のない視聴者にも直感的に理解してもらえます。シンプルなグラフィックと明快なナレーションで構成することで、拡散後も幅広い層に価値を届けられます。

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3. インタビュー動画で信頼と共感を生む

BtoB購買では信頼性が極めて重視されます。導入企業の担当者が実際に語るインタビュー動画は、サービスの効果をリアルに伝える有力な手段です。たとえば「導入前は月末の集計作業に3日かかっていたが、今では半日で完了する」といった具体的なエピソードは、同じ課題を抱える企業に強く響きます。

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4. 無音でも伝わる設計(テロップ・構成の工夫)

Xユーザーの多くは音声をオフにして動画を視聴します。重要なメッセージや数値は必ずテロップで表示し、ビジュアルだけでも内容が理解できるよう工夫しましょう。グラフやアイコンを効果的に使い、視覚情報だけでストーリーが完結する構成を心がけることで、視聴完了率と拡散率が大きく向上します。

拡散から成果につなげるには導線設計も重要

拡散から認知された後、成果へ繋げるための導線設計について、3つの視点から解説します。

1. CTA設計とリンク活用(資料DL・セミナー誘導)

X投稿で拡散を獲得しても、その先のアクションが明確でなければ成果につながりません。投稿には必ず「次に何をしてほしいか」を示すCTA(製品や自社サイトへのリンク)を含めましょう。たとえば「詳細はこちらサービスURL」「明日のウェビナー申込はプロフィール欄のリンクから」といった具体的な誘導です。
リンクを貼る際は、短縮URLを使用しましょう。可能であればUTMパラメータを設定してトラッキングすることで、X経由の流入数やコンバージョン率を正確に測定できます。

2. 固定ポストやプロフィール導線の最適化

拡散された投稿を見て興味を持ったユーザーは、多くの場合、アカウントのプロフィールを訪れます。プロフィール欄には自社の事業内容を簡潔に記載し、資料請求ページやコーポレートサイトへのリンクを明記しましょう。
また、「固定ポスト」機能を活用し、最も見てほしい投稿(ウェビナー告知や人気コンテンツ)をプロフィールページのトップに固定しておくことで、訪問者を確実に次のアクションへ誘導できます。

3. 拡散後のフォローアップでリード化を促進

拡散された投稿に反応したユーザーは、まだ明確な購買意欲があるわけではありません。しかし、関心を示したこと自体が重要なシグナルです。投稿に「いいね」や「リポスト」をしてくれたユーザーに対して、こちらからも「いいね」を付けたり、丁寧に返信したりすることで、相互のコミュニケーションが生まれます。
また、X経由でウェブサイトを訪問したユーザーに対しては、リターゲティング広告やメールマーケティングでフォローアップすることも有効です。X単体で完結させるのではなく、他のマーケティングチャネルと連携させることで、拡散から得た接点を確実にリード化し、最終的な成果につなげられます。

まとめ|Xの拡散は動画活用と導線設計で、成果へつながる

X(旧Twitter)は、BtoB企業にとっても強力なマーケティングチャネルです。拡散の仕組みを理解し、価値ある情報を提供し続けることで、限られた予算でも大きなリーチと成果を獲得できます。特に動画コンテンツは、複雑な情報をわかりやすく伝え、拡散を加速させる重要な要素です。
重要なのは、拡散そのものを目的化せず、ウェブサイト訪問や資料請求といった具体的なアクションへとつなげる導線設計です。当社は、企画から完成後のSNS活用支援まで一貫してサポートできる体制を整えております。X拡散を成果につなげる動画制作をお考えであれば、ぜひお気軽にご相談ください。


掲載日: 2025.11.05

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