コラム

【企業向け】動画配信 プラットフォームの選び方|検討軸や主要機能、活用を成功させるポイントを解説


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動画を活用したマーケティングが企業の成長戦略において重要な位置を占めるようになっています。製品説明やウェビナー、顧客向けセミナーなど、動画コンテンツを通じた情報発信は、見込み顧客の獲得から既存顧客との関係強化まで、幅広い成果をもたらします。こうした企業のマーケティングニーズに応えるために設計されたのが、法人向けの動画配信プラットフォームです。
本記事では、動画配信プラットフォームの基本から、企業が選定する際の5つの検討軸、押さえるべき6つの主要機能、そして活用を成功させる5つのポイントまでを詳しく解説します。マーケティング担当者が自社に最適な配信基盤を選ぶための判断材料として、ぜひお役立てください。

動画配信プラットフォームとは?

動画配信プラットフォームとは、企業が作成した動画コンテンツをインターネット経由で視聴者に届けるためのシステムです。動画のアップロードから配信、視聴者管理、アクセス制限、視聴データの分析まで、動画活用に必要な機能を一元的に提供します。

一般向けサービスとの主な違い

YouTubeやTikTokなどの一般向けプラットフォームに対し、法人向けサービスには以下の特徴があります。

  • 特定の視聴者だけに限定公開できるアクセス制限機能がある
  • 視聴者の行動データを詳細に分析し、マーケティング施策に活用できる
  • 広告が表示されず、視聴者の集中を妨げない
  • 独自ドメインでの配信やブランドに合わせたデザインカスタマイズが可能
  • IPアドレス制限やパスワード認証など、堅牢なセキュリティ機能を搭載

そのため、製品説明やデモ動画の公開、ウェビナーやオンラインセミナーの開催、顧客向けサポートコンテンツの提供、社内研修や業務マニュアルの共有など、幅広いビジネスシーンで有効に活用できます。

主な動画配信プラットフォーム一覧とその特徴

ここでは、動画配信プラットフォームの中から代表的な9つのサービスを紹介します。それぞれの特徴を把握し、自社の用途に合ったサービス選定の参考にしてください。

1. YouTube
世界最大の無料動画プラットフォーム。広範囲への情報発信に適していますが、広告表示や限定公開の制限があります。

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BtoB企業のためのYouTube活用術 

2. Vimeo
クリエイター向けのプラットフォームで、高画質配信と広告非表示が特徴。有料プランでは詳細なプライバシー設定や視聴分析機能が利用できます。

3. Brightcove
大規模なエンタープライズ向けに設計されたプラットフォーム。高度なカスタマイズ性と安定した配信基盤を提供し、グローバル展開する企業に適しています。

4. J-Stream Equipmedia
国内企業の利用実績が豊富な法人向けサービス。社内研修や限定配信に強く、日本語サポートが充実しているため、導入から運用までスムーズです。

5. millvi(ミルビィ)
中小企業向けに手頃な価格で提供される国産プラットフォーム。マーケティング機能と使いやすさを両立しており、初めての導入にも適しています。

6. Wistia
BtoB企業のマーケティングに特化したプラットフォーム。リード獲得やMAツールとの連携機能が充実しており、動画を活用した営業支援が可能です。

7. IBM Video Streaming(旧Ustream
ライブ配信に強みを持つプラットフォーム。大規模なイベントやウェビナー配信に対応し、企業の重要な発表や株主総会のライブ中継などで活用されています。

8. Panopto
教育機関や企業研修に特化したプラットフォーム。録画した講義や研修動画の管理、検索機能が優れており、学習コンテンツの蓄積と活用に適しています。

9. Kaltura
オープンソースベースのプラットフォームで、高いカスタマイズ性が特徴。自社の業務フローや既存システムに合わせた柔軟な構築が可能です。

動画配信プラットフォームを選ぶ際の5つの検討軸

自社に最適なプラットフォームを選定するには、複数の視点から検討する必要があります。ここでは、企業が押さえるべき5つの検討軸を解説します。

1. 配信対象(社内向け/社外向け/限定公開など)

まず明確にすべきは、誰に向けて動画を配信するかという点です。社内向けであれば従業員の研修や情報共有が目的となり、社外向けであれば顧客への製品説明やウェビナー開催が想定されます。また、特定の取引先やパートナー企業のみに公開する限定配信というケースもあります。
たとえば、全国に拠点を持つ製造業の企業が、新製品の組み立て手順を動画マニュアル化して全従業員に共有する場合、社内向けの限定配信が適しています。一方、BtoB企業が製品の使い方を既存顧客向けに説明する場合は、顧客ごとにアクセス権を設定できる限定公開機能が必要です。このように配信対象を明確にすることで、求められる機能要件が自然と見えてきます。

2. 機能・実用面(配信形式・分析・連携など)

動画配信プラットフォームには様々な機能がありますが、すべてが自社に必要とは限りません。事前に以下のような要件を整理しておくことで、自社に最適なサービスを選定できます。

  • ライブ配信を頻繁に行うのか、それともオンデマンド配信が中心なのか
  • 視聴者の行動分析を詳細に行いたいのか、シンプルな視聴回数の把握で十分なのか
  • 既存のMAツールやCRMとの連携が必要なのか

求める機能を明確にすることで、不要な高機能サービスへの過剰投資や、必要な機能が不足するリスクを避けられます。

3. 視聴環境や視聴デバイス

視聴者がどのような環境で動画を見るかも重要な検討ポイントです。社内の従業員が会社支給のPCで視聴する場合と、顧客が自宅のスマートフォンで視聴する場合では、求められる対応デバイスや通信環境が異なります。
たとえば、建設現場の作業員向けに安全教育動画を配信する場合、現場ではスマートフォンやタブレットでの視聴が中心となるため、モバイル対応が必須です。また、通信環境が不安定な場所でも快適に視聴できるよう、低画質でも再生できる仕組みや、動画のダウンロード機能があると便利です。想定される視聴環境を具体的にイメージし、それに対応したプラットフォームを選ぶことが視聴体験の向上につながります。

4. 運用体制と予算

プラットフォームの選定では、初期費用や月額費用といった直接的なコストだけでなく、運用に必要な人的リソースも考慮する必要があります。社内に専任の担当者を配置できるか、外部パートナーに運用を委託するかといった体制面の検討も欠かせません。また、動画配信の規模が拡大した際に柔軟に対応できるか、プラン変更やストレージ追加が容易かといったスケーラビリティも重要です。小規模からスタートして段階的に拡張できるプラットフォームを選べば、初期投資を抑えつつ将来的な成長にも対応できます。予算と運用体制のバランスを見極め、長期的な視点でコストパフォーマンスの高いサービスを選択しましょう。

5. セキュリティ

取り扱う動画コンテンツの機密性によって、求められるセキュリティレベルは異なります。社内の業務マニュアルや経営戦略に関する動画であれば、IPアドレス制限やユーザー認証、暗号化通信といった高度なセキュリティ機能が必要です。特に金融機関や医療機関では、顧客情報や患者情報を含む動画を扱うこともあるため、より厳格なアクセス管理とログ記録が求められます。一方、一般向けの製品紹介動画であれば、基本的なパスワード保護程度で十分な場合もあります。自社が配信する動画の性質を見極め、必要十分なセキュリティ機能を備えたプラットフォームを選ぶことが重要です。

企業が押さえるべき動画配信プラットフォームの6つの主要機能

ここでは、企業が動画配信プラットフォームを選ぶ際に確認すべき6つの主要機能について解説します。

1. ライブ配信・オンデマンド配信への対応

企業の動画活用では、配信目的に応じてライブ配信とオンデマンド配信を使い分けることが重要です。

  • ライブ配信:ウェビナーや製品発表会、株主総会といったイベント性の高いコンテンツに適しており、視聴者とのリアルタイムなコミュニケーションが可能
  • オンデマンド配信:研修動画やマニュアル、製品説明といった繰り返し視聴されるコンテンツに向いている

両方の配信形式に対応しているプラットフォームを選べば、用途に応じて使い分けができ、動画活用の幅が広がります。また、ライブ配信をアーカイブとして自動的にオンデマンド化できる機能があれば、リアルタイムで視聴できなかった人にも後から提供でき、コンテンツの価値を最大化できます。

【関連記事】

 オンデマンド配信については、こちらの記事で詳しく解説しています。
オンデマンド配信とは?ライブ配信との違いについて解説 

2. 視聴者の制限とアクセス管理

企業が配信する動画には、機密情報や限定コンテンツが含まれることも多く、視聴者を適切に管理できる機能が重要です。具体的には、ユーザーIDとパスワードによる認証、IPアドレスによる接続元の制限、視聴期間の設定、同時視聴数の制限などが挙げられます。
たとえば、有料のオンラインセミナーを開催する場合、申込者だけが視聴できるよう個別のアクセスコードを発行する機能があれば、不正視聴を防げます。また、部署や役職ごとに閲覧権限を細かく設定できれば、社内の機密情報を含む動画も安全に共有できます。シングルサインオン(SSO)に対応していれば、既存の社内システムと連携し、従業員が別途ログイン情報を管理する手間も省けます。

3. 視聴データの分析・レポート出力

マーケティング施策の効果を高めるには、視聴データの分析機能が重要です。基本的な再生回数や視聴完了率に加え、視聴者の属性、視聴時間帯、どの部分で離脱したかといった詳細なデータが取得できれば、コンテンツの質を高めるヒントが得られます。マーケティング目的で動画を活用する場合、視聴者の行動データをMAツールやCRMと連携させることで、リード育成や商談化につなげることも可能です。たとえば、製品紹介動画を最後まで視聴した見込み顧客を自動的に「関心度の高いリード」として抽出し、営業担当にアラートを送る仕組みを構築できます。このように、視聴データを単なる数字として見るのではなく、ビジネスの成果につなげるための分析・レポート機能を備えたプラットフォームを選ぶことが効果的です。

4. 高画質・安定配信を支える仕組み

動画の画質や配信の安定性は、視聴体験の質を左右する重要な要素です。特にBtoB企業が顧客向けに配信する場合、動画が途中で止まったり画質が荒れたりすると、企業の信頼性にも影響を与えかねません。高画質配信を支える技術として、視聴者の場所に近いサーバーから配信するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)があります。また、視聴者の通信速度に応じて自動的に画質を調整する機能があれば、ネットワーク環境が不安定な場所でも動画が途切れにくくなります。大規模なウェビナーを開催する際には、同時視聴者数が数百人から数千人に達することもあるため、高負荷時でも安定した配信を維持できるインフラを持つプラットフォームを選ぶことが重要です。

5. 字幕・多言語表示機能

グローバルに事業を展開する企業や、海外拠点の従業員や外国人顧客に情報を届ける場合、字幕や多言語対応は必須となる機能です。日本語の動画に英語や中国語の字幕を付けることで、海外拠点の従業員や外国人顧客にも同じコンテンツを提供できます。
字幕機能には、動画ファイルとは別に字幕データをアップロードして表示するタイプと、音声を自動認識してテキスト化する自動字幕生成機能があります。後者は作業効率が高い一方、専門用語や固有名詞の認識精度に課題があるため、用途に応じて使い分けることが重要です。

6. 既存システムとの連携(API・SSO・LMS)

動画配信プラットフォームを既存の業務システムと連携させることで、業務効率とデータ活用の質を大きく向上させることができます。主な連携方法と活用メリットは以下の通りです。

  • API連携Application Programming Interfaceの略。MAツールやCRMと接続し、視聴データを自動的に送信できる。たとえば、製品紹介動画を最後まで視聴した見込み顧客を自動でホットリードとして抽出し、営業チームに通知する仕組みを構築できる
  • SSO(シングルサインオン):社内の認証基盤と統合することで、従業員は追加のログイン操作なく動画にアクセス可能。パスワード管理の手間が省け、セキュリティリスクも低減できる
  • LMS連携Learning Management System(学習管理システム)との連携により、動画の視聴状況や理解度テストの結果を一元管理。受講者の学習進捗を把握し、研修効果の測定や改善に活用できる

自社がすでに使用しているシステムとの親和性を確認し、シームレスに連携できるプラットフォームを選ぶことで、導入後の運用負荷を軽減しつつ、動画活用の効果を最大化できます。

動画配信プラットフォーム活用を成功させる5つのポイント

プラットフォームを導入しただけでは、動画活用の効果は最大化できません。ここでは、運用面で押さえるべき5つのポイントを解説します。

1. 導入目的の明確化とサービス選定

動画配信プラットフォームの活用を成功させる第一歩は、「なぜ動画を活用するのか」という目的を明確にすることです。社内研修の効率化なのか、見込み顧客の育成なのか、ブランド認知の向上なのか。目的が曖昧なまま導入すると、必要のない高機能サービスに多額のコストをかけたり、逆に必要な機能が不足して後から追加コストが発生したりするリスクがあります。
まずは、関係部署や経営層と協議し、動画活用の目的と期待する成果を具体的に定義しましょう。その上で、前述の検討軸や主要機能を踏まえ、自社のニーズに最も合致するサービスを選定します。複数のプラットフォームでトライアルを行い、実際の操作性や管理画面の使いやすさを確認することも有効です。

2. タグ・分類ルールによるコンテンツ管理の最適化

動画コンテンツが増えてくると、必要な動画を探すのに時間がかかり、活用されなくなる恐れがあります。これを防ぐには、導入初期の段階でタグ付けや分類ルールを整備し、コンテンツを管理することが重要です。
たとえば、「部署名」「対象者」「公開範囲」「コンテンツ種別(研修/製品紹介/ウェビナーなど)」といった軸でタグを設定し、すべての動画に適切なタグを付与するルールを定めます。これにより、視聴者は検索やフィルタリング機能を使って目的の動画にすぐにアクセスでき、管理者側も古いコンテンツの整理や更新が容易になります。

3. 社内外の運用体制の確立

動画配信プラットフォームを継続的に運用するには、誰がどの業務を担当するかを明確にしておくことが重要です。動画の企画・制作、アップロード、視聴者管理、アクセス権限の設定、視聴データの分析、コンテンツの更新といった業務を、社内リソースで対応するのか、外部パートナーに委託するのかを事前に決めておきましょう。
特に動画制作に不慣れな場合は、外部の動画制作会社に企画から撮影、編集までを依頼し、完成した動画のアップロードと配信設定のみを社内で行うという分担も有効です。

4. 利用促進と社内浸透の施策

どれほど優れたプラットフォームを導入しても、実際に使われなければ意味がありません。特に社内向けの動画配信では、従業員が自然に動画を視聴する習慣を身に着けてもらう必要があります。導入時には、動画の視聴方法やプラットフォームの使い方を説明する社内説明会を開催し、利用のハードルを下げることが有効です。
また、動画視聴を業務の一部として位置づけ、上司から積極的に視聴を促すことも重要です。たとえば、新入社員研修では「指定された動画を全て視聴し、理解度テストに合格すること」を必須とするなど、制度として組み込むと良いでしょう。また社外向けの場合は、メールマガジンやSNSで動画コンテンツを定期的に告知し、視聴者に見てもらう施策が効果的です。

5. データ分析による継続的改善

動画配信プラットフォームは導入して終わりではなく、継続的に改善していくプロセスが重要です。視聴データを定期的に分析し、どの動画がよく見られているのか、どこで視聴者が離脱しているのか、視聴完了率はどの程度かといった指標をモニタリングしましょう。分析結果から得られた気づきをもとに、動画の内容や長さ、配信タイミングを改善していくことで、視聴体験の質が向上し、動画活用の効果も高まります。たとえば、10分の研修動画の視聴完了率が低い場合、5分ずつ2本に分割することで完了率が改善するかもしれません。このように、データに基づいたPDCAサイクルを回すことが、動画配信プラットフォームを活用するための鍵となります。

まとめ|目的に合わせて最適な配信プラットフォームを選ぼう

動画配信のプラットフォームは、企業の情報発信力や組織のコミュニケーション品質を高める重要な基盤です。自社の配信対象や求める機能、セキュリティ要件、運用体制を明確にし、それに合致するサービスを選ぶことで、動画活用の効果を最大化できます。また、導入後も継続的にデータを分析し、改善を重ねることで、動画コンテンツの価値は着実に高まっていきます。
当社は、動画制作にとどまらず、企画段階からプラットフォーム選定、配信後の活用支援まで、一貫してサポートできる体制を整えております。豊富な経験と専門知識をもとに、貴社の目的に最適な動画活用プランをご提案いたします。動画配信プラットフォームの導入や活用にお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。 


掲載日: 2026.01.08

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