学校紹介動画とは、学校生活や施設をわかりやすく紹介するための動画全般のことです。一般的に入学した学生がどのような生活を過ごすのか、どのような学校なのか、学校施設はどうなのかなどを紹介します。昔は大学などの高等教育機関が自校のブランドイメージ向上などを目的として制作するのが一般的でした。しかし、最近では中学や高校、専門学校、学習塾など幅広い教育機関で学校紹介動画が作成されています。本稿では、学校紹介動画を制作するメリットと成功のための撮影ポイントをご紹介します。
更新日:2022/4/6 学校紹介動画の事例及び価格を追加
更新日:2022/6/8 面白い学校紹介動画や作成のポイントを追加
学校紹介動画のメリット
学校紹介動画ではさまざまな形で、その学校の細部に至るまでを紹介できます。では、学校紹介動画を制作・配信することで学校側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?重要なメリットを3つご紹介します。
メリット1. 学校のブランドイメージ向上
第一に重要なメリットは「ブランドイメージの向上」です。教育機関におけるブランド価値とはどのような教育を実施しているか、ということもさることながら、周囲からのイメージも大切な要素として考えられます。「この学校に入学すれば有意義な学生生活が送れそう」、「この学校に入学すれば将来的にも希望が持てる」そんなイメージを持ってもらうことが学校側としてとても重要なのです。
その点から考えると学校紹介動画は優れたプロモーションツールとしてなりえるでしょう。同じ学校であっても様々な表現方法が取れますし、SNSやYouTubeなどにアップすることでシェアが拡大し、幅広い宣伝効果も期待できます。ただしそれだけに、動画が持つ影響力は大きいため慎重なコンセプト設計が欠かせません。
メリット2. 文字や写真では伝わりづらい所まで紹介できる
昔から多くの教育機関は学校紹介のためにパンフレットを制作しています。現在でも一つのツールとして活用され続けていますが、やはり文字や写真で伝えられる情報量というのは限られています。より多くの情報を伝えようとすれば、文字も写真も膨大な量になるため、制作にかかる負担が大きいだけでなく、正しく訴求できない可能性も考えられます。
一方、動画は文字や写真の数百倍から数千倍もの情報量が詰め込めるにもかかわらず、映像と音でターゲットに対して単純明快に情報を伝えられるツールです。文字や写真だけでは伝わりづらい「学校の雰囲気や世界観」を伝えるのにも適しており、現在では学校選びの重要な参考情報として確認する学生や保護者も少なくありません。そのため伝わる確率が高いのが動画ということになります。
メリット3. より多くの生徒を獲得できる
少子高齢化を背景に教育機関における生徒獲得市場は売り手市場、つまりは学校側が提示する定員に対して受験者が少なくなるのが今後の自然な流れになると考えられます。教育機関同士の生徒獲得競争はより激しくなり、アドミッションポリシー(学校の受け入れ方針)に従う生徒を獲得するのは容易ではありません。
学校紹介動画を制作・配信すればそれが容易になるのかといえばそうではありません。しかし、パンフレットなど紙媒体でしか情報発信していない学校に比べると、学校紹介動画を持っている学校の方がプロモーション面で優位に立てることは確かです。それが結果的に、より多くの生徒を獲得することへ繋がっていきます。また、体験入学と同等の取り組みを動画制作や配信技術で実現できるようになることもメリットの一つと言えるでしょう。
学校紹介動画制作のポイント
映画にはヒットする作品とそうでない作品があるように、学校紹介動画でもプロモーションに貢献するものとそうでないものがあります。つまり、成功と失敗が明確に分かれているのです。せっかく制作するのですから成功させたいと願って当然ですし、プロモーション面での効果を期待したいところです。ただし、学校紹介動画はただ制作すれば成功するものではなく、いくつかポイントを押さえる必要があります。それでは重要なポイントを確認していきましょう。
ポイント1. 動画配信のターゲットを綿密に決定する
動画制作を成功させるポイントとしての初歩は、「ターゲットの決定」です。誰に対して何のために配信するのか?を綿密に決定し内容に織り込むことが、その後の動画制作に大きな影響を与えます。
学習塾で訴えるべきことと、大学や高校・中学などで訴えるべきことは異なります。例えば学習塾では、通塾した場合にどのような成果が得られるのか、合格実績はどうなのかなどをう訴えるでしょう。それに対して、伝統ある大学などにおいてはブランディングの一環として歴史的な背景、部活動の成果などの要素も盛り込むことも多いでしょう。
学校紹介動画におけるターゲット決定で特に気を付けていただきたいのが、中高一貫校や付属校では年代ごとにターゲットが異なるという点です。単純に考えて中学生か高校生かによって年代は決定的に違いますし、学校側が求める生徒像も異なります。さらに、生徒や保護者が学校側に求める情報も異なりますので、これから制作しようとしている学校紹介動画が、誰に対して何のために配信するもののなのか?を慎重に検討することがとても重要です。
ポイント2. 授業や部活動の風景ごとに動画を配信する
動画がもつ情報量を生かして、学校内の風景を余すことなく伝えたいという気持ちはわかります。しかしながら、その情熱を一つの動画に詰め込んでしまうと、逆に情報が伝わりづらくなる可能性があります。授業や部活動の風景ごとに動画を制作したり、施設紹介だけの動画を制作したりとシーンごとに適した動画を複数制作することによって、学校も生徒も保護者も情報の整理がしやすく、より効果的なプロモーションツールとして活躍してくれるでしょう。一つにまとめた方が良いのか、複数に分けたほうが良いのかは動画制作会社に相談すると良いでしょう。
ポイント3. あくまで自然な動画制作を心がける
学校紹介動画に生徒や保護者が求めることは、「ありのままの姿」を映していることです。自身や自分の子供が今後数年間通おうとしている学校を決める場面では、情報の正確性が重要になります。そのため学校紹介動画で過度の演出は御法度と言って良いでしょう。例えば、学校紹介動画に出演してもらう生徒に台詞を用意すると不自然感が出てしまったりします。動画の性質上それが視聴者へダイレクトに伝わってしまうので、学校紹介動画ではあくまで自然な動画制作を心がけることが大切です。
ポイント4. アニメーションやインフォグラフィックを活用する
学校紹介動画の中で、学校の組織体制や仕組み、制度、進学先や就職先などを紹介するにあたり音声による説明だけでは十分に情報が伝えられないことが多々あります。そこで積極的に採用していただきたいのが、アニメーションやインフォグラフィックです。動画が持つ情報量は圧倒的ですが、時にはアニメーションやインフグラフィックなどを活用して正確な情報を伝達します。
ポイント5. 施設を紹介する
学校紹介においてよく利用うするシーンには、施設紹介があります。施設紹介はもし入学・入塾した際にどのような場所で学び、学生生活を送れるのかをイメージしやすくさせるため重要な要素の一つと言えます。象徴的な正門や建物、図書館、教室、運動グラウンド、カフェテリアや学食など多くのシーンを入れることで視聴者に自信が入学した際のイメージを想像してもらいやすくなります。また、最近では学校全体をドローンを使った空撮などで印象にインパクトを与える取り組みも有効です。
ポイント6. YouTube掲載や広告など再利用を考える
作成した動画は、構成や編集などを施せばホームページ上のみならずYouTubeや各種広告素材としても活用できるため、再利用を考慮すると良いでしょう。広告などでは端的にメッセージを伝えることが可能になります。
リアルタイム配信で学校行事に新しい形を取り入れる
ヒューマンセントリックスでは、動画制作事業に加えて動画配信事業も行なっています。そして、最近特に増えてきているのが動画制作を目的とした撮影だけでなく、学校行事のリアルタイム配信です。
例えば大学の入学式や卒業式などは、新入生のみの参加スペースしかないなどの制限があるケースが存在します。また、中学校や高校の卒業式では新型コロナウィルスの影響で両親の参加ができずに1名のみの参加という学校も存在します。
そのような時に地方に住む両親や祖父母、学生と関係の深いなどにも参加してもらえうことを想定して入学式や卒業式などの行事を動画配信すれば良いのです。
Zoomを活用したりYouTubeライブを使ったりしながら、臨場感を多くの人に味わってもらう配信という手法もあることを認識しましょう。
学校を利用した地方創生プロジェクトの実例
弊社、ヒューマンセントリックスヘでは学校紹介動画の実績が豊富にあります。例えばグッドデザイン賞を受賞させていただいた熱中小学校の事例をご紹介します。
この山形県高畠町にある熱中小学校は純粋な小学校ではなく廃校になった小学校を利活用して大人の学び舎とする地方創生プロジェクトです。ちなみにドラマ「熱中時代」のロケ地だった旧時沢小学校を利用していることから熱中小学校と名づけられました。
平成の大合併、少子高齢化、首都圏への一極集中によって、地方には活用されていない廃校や公共施設がたくさんあります。そこに、人と教育というソフトを注入していくプロジェクトです。全国の著名な100名を超えるボランティア講師と、地元のみなさんとの交流で、生みだされるパワーは相当なものです。ただし、その取り組みを知っていただくのに、紙の資料では不十分であったため学校紹介として動画を活用することになりました。
今では、全国11か所のみならず、海外展開なども行われている取り組みになります。
上記以外にも施設紹介など豊富な実績がございますので、ぜひ実績ページでご確認ください。
面白い学校紹介動画の事例
面白い学校紹介動画を制作してWebサイトで紹介したりSNSで発信したりすれば、多くの人の関心を引いて効果的にPRができる可能性が広がります。では、印象に残る学校紹介動画にはどんなものがあるでしょうか。ここでは高校・大学・専門学校に分けてそれぞれ事例を紹介します。
学校紹介動画:高校編
最初に紹介するのは東京都千代田区にある私立錦城学園高等学校の学校紹介動画です。「クラブ活動に励む生徒の姿」をマイクロドローンで撮影して動画を作成しています。
教室・体育館・グラウンドまで校内を縦横無尽にめぐるドローンが、それぞれの場所で活動している野球部・バスケットボール部・テニス部・吹奏楽部などを次々と映し出していきます。クラブ活動に笑顔で打ち込む生徒たちがテンポよく画面に登場し、「楽しい学校生活」を強くイメージさせる内容になっています。
終盤では、ダイジェスト映像に「輝ける場所」「個性を尊重」などのテロップを載せ、明確なメッセージを伝えている点にも注目です。映像と文字の両方で錦城学園高等学校の魅力を実感できるように工夫されている好例です。
学校紹介動画:大学編
近畿大学では「オープンキャンパスや課外活動の様子を伝える動画」を意欲的に制作し、SNSで発信しています。
2019年に公開された新コンセプト大学図書館「近畿大学アカデミックシアター」の紹介動画は、マイクロドローンによって撮影された動画を逆再生した編集で、大きな注目を浴びました。カップに吸い込まれる紙吹雪、床から手元に戻ってくる本など、SF映画のような映像表現が取り入れられていることで、近畿大の革新的な雰囲気を感じさせるようになっています。
また、人気お笑いコンビの霜降り明星が登場する学校紹介動画も注目を浴びました。これは、近畿大OBの霜降り明星・せいやさんが、相方の粗品さんと2人で「大学周辺の街の様子」や「大学内の施設」について紹介する内容です。これが2022年4月時点で50万回以上再生される人気動画となり、近畿大学のブランディングに大きく貢献しています。
学校紹介動画:専門学校編
ハリウッド美容専門学校の学校紹介動画は、学生や講師のインタビューを基に構成されています。学生が体験談として語る形式を取ることで、学校のリアルな魅力・特徴が強い説得力を伴って紹介されています。これによって、「ハリウッド美容専門学校で何を学べるか」「卒業後、どのような職業に就けるか」を強く印象づけるものとなっています。
また、インタビュー音声の上に、「専門技術を熱心に学ぶ学生の映像」を重ねて流す編集がなされています。これは、「学校で学べる専門技術の内容」と「卒業後に目指せる将来像」とを結びつけて提示する工夫です。視聴者は、ハリウッド美容専門学校に通った場合の「自分自身の姿」を、明確にイメージできます。
面白い学校紹介動画にするポイント
「何となく、動画を撮影・編集・アップロードする」のでは、魅力的な学校紹介動画にはなりません。面白い学校紹介動画を制作し、狙い通りの効果を得るためには、以下のポイントを意識しましょう。
生徒に台本を用意しない
学生や生徒に登場してもらうなら、台本のセリフを読み上げるのではなく、自分自身の言葉で語ってもらう必要があります。台本通りにしゃべるとリアリティーが乏しくなり、「無理矢理言わされているのでは」と不信感を抱かせることもあるからです。
部活動や授業風景を撮影する際にも同様のことが言えます。学校側が用意した動きを生徒に強要することは避け、自然な姿を撮影しましょう。
ただし、学生や生徒を突然呼び止めてインタビューしても、狙い通りの回答は得られないものです。インタビューしたい生徒には事前に質問内容を伝え、あらかじめ回答を考えてもらうと安心です。
なによりも「動画の内容」にこだわる
映像の質ももちろん大事ですが、なによりも動画の内容が大切です。見る人のニーズに沿った制作を行いましょう。凝ったカメラワークやエフェクトは確かに目を引きますが、不可欠な要素とまでは言えません。
内容にこだわって面白い学校紹介動画を制作するなら、まず企画の段階で「何のための動画か」「何をどのように紹介するか」を明確にしておきましょう。学校独自の強みや弱みを洗い出して整理した上で、「自校の良さ」が十分に伝わるような内容を企画しましょう。
学校紹介動画の作り方
動画を見てもらいたい相手、つまり「動画のターゲット」を絞り込むことも大切です。
高校の学校紹介なら「保護者」と「受験生」とが等しくターゲットです。一方専門学校や大学になると、ターゲッティングの重心を「受験生」に置いて制作を進めるケースが多くなります。
ターゲットを絞ったら「そのターゲットは何を知りたいか」「自校はターゲットに何を伝えたいか」という視点で、コンテンツの方向性や構成を検討しましょう。
コンテンツの方向性や構成が決まったら、その構成にしたがって学校や設備・キャンパス風景などの写真や、BGMなど画像素材や音声素材を集めていきます。素材集めと併行して教員・生徒・学生の動画撮影を進めるとスムーズです。
必要な動画撮影が完了し、編集素材も集まったら編集です。BGMやテロップも使って「わかりやすい」「面白い」と感じられるような映像を制作しましょう。
動画が面白くなるアイデアと事例
オリジナリティーあふれるアイデアがあれば、さらに魅力的で面白い学校紹介動画が制作できます。以下のアイデアが光る学校紹介動画を、ぜひ参考にしてください。
クイズ形式で視聴者に興味を持たせる
大分県にある私立中・高等学校岩田学園の学校紹介動画はクイズ形式で構成されています。制服や校則など、「受験生なら気になる内容」がクイズ形式で紹介されていき、最後まで興味を持って動画を見られるように工夫されています。
一つひとつのクイズの回答の後には生徒や教師が登場し、「自由な校風」「語学教育体制の充実度」などを熱っぽく語っていることも特徴です。映像にはテロップも添えられており、わかりやすくなっています。
ストーリー仕立てにする
早稲田大学商学部の紹介動画は、「合格を目指す受験生が在校生を訪問し、入学した動機やキャンパスライフに関して話を聞く」という、ストーリー仕立てのコンテンツです。紹介動画のターゲットである「受験生」自体を主人公に据えることで、ターゲット層から共感を得やすい内容になっています。
また一般に、「ストーリー仕立て」スタイルは視聴者になじみやすく、小難しい印象を与えにくいということも利点です。ドラマやドキュメンタリー番組を楽しむように、リラックスした気持ちで動画を見てもらいやすくなります。
インパクトのあるキャッチコピーを作る
見た人の記憶に残る学校紹介動画にするためには、「インパクトの強いキャッチコピーを作る」のも1つの方法です。
鈴鹿大学では「わたしの中の“世界”を見つける。」というキャッチコピーで学校紹介動画を制作しました。
また、東京モード学園は2022年のCMで「迷ったら、好きで行け。」をキャッチコピーにして、好きなものに熱中できる校風をアピールしています。このCMではキャッチコピーに合わせてBGMやイラストも制作し、一貫性のあるメッセージを発信している点も特徴です。
学校紹介動画の費用や相場
弊社、ヒューマンセントリックスでは多くの学校紹介動画の制作及び配信に関わってきました。弊社の学校紹介動画の費用は明確です。動画制作価格ページでも紹介してますが、簡単なものであれば18万円から承っております。また、動画配信においても30万円から可能ですので、もしご興味がございましたら気軽に問い合わせいただければ幸いです。
学校紹介にもっと動画を
動画が持つ効果は、すでにビジネスの世界で実証されており、現在では中小・大企業などビジネスの規模にかかわらず様々なシーンで動画が採用されています。今後は大学のみならず、小学校から中学校、高校、学習塾、専門学校などなど あらゆる教育機関においても、ブランドイメージ向上や学校紹介などで動画が重要な役割を果たします。また、リモートでの学習が当たり前になっている現在において、動画を活用した教育も確立されました。
初めての動画制作や配信では不安も多いかと思いますので、企画から制作まで一貫してサポート可能な動画制作会社への依頼をお勧めします。教育機関のより魅力的な情報発信のために、動画制作をぜひ積極的にご検討ください。その際には弊社までお問い合わせいただければ嬉しい限りです。
動画を使った学校紹介は、文字や静止画の写真だけでは伝わらない情報を伝えることができるので、より大きなPR効果を求めるならぜひ使いたいツールです。この記事では、生徒や学生を集めたいと考えている学校広報担当者の方に向けて、「面白くてかっこいい学校紹介動画」の作り方を詳しく解説します。企画のポイントや学校紹介動画の参考事例も紹介していますのでぜひ参考にしてください。
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