スマートフォンの普及や5Gの商用化などにより、動画マーケティング市場は今後もさらに拡大していくと予想されています。コンセプトムービーを制作し、ビジネスに有効活用したいと考えている担当者も多いことでしょう。
本記事では、初めて動画制作に携わる人にもわかるように、コンセプトムービーの概要や制作するポイント、外注時の注意点について解説するほか、参考事例や優れたソリューションを紹介します。
コンセプトムービーとは何か?
コンセプトムービーとは、そもそもどのような目的で制作されるものなのでしょうか。まずは、その概要と目的、ブランディング動画との違いについて解説します。
概要と目的
コンセプトムービーとは、企業理念やビジョン、商品に込めた想いなどの、言葉では伝わりにくい抽象的な概念を映像として視覚化したものです。企業の存在意義や自社の商品やサービスの提供を通じて、社会に向けて自社が果たしていく役割なども表現され、オリジナリティの高い仕上がりになるのが特徴です。視聴者に対し、「企業自体・商品・サービスをプロモーションする」という明確な目的も存在します。前述の特徴から、人材採用を目的にするケースも多くあります。
混同されやすい「ブランディング動画」との違いですが、ブランディング動画とはあくまでも企業へのブランド醸成を目的とするものです。基本的に動画内で直接的に商品やサービスをアピールしたり、視聴者に具体的なアクションを促したりするということもありません。
コンセプトムービーを作成する意義
企業理念や想いなどを映像化したコンセプトムービーは、視聴者に自社に対する「共感」を抱いてもらうのに効果的です。企業理念や商品への共感は、問い合わせや購入といった具体的なアクションを促す重要な要素です。その後も商品やサービスを継続して利用してもらえるようになるなど、リピーターの増加にもつながります。
2~3分と尺が短いものが多いため、商談の場で顧客に直接見せることも可能です。企業理念や想いなどの抽象的な概念を言葉で一方的にアピールされても、顧客の心にはなかなか響かないものです。映像化することで、事業にかける想いやその商品・サービスを開発するに至った経緯・開発者の声などを直感的に伝えられ、共感も促しやすくなります。顧客の方から企業や商品についてもっと知りたいと思ってもらえるようになり、結果的に自社のファンを増やせます。
数分程度の短い時間で自社のファンを増やせるコンセプトムービーは、採用活動にも有効です。加えて、コンセプトムービーはインナーブランディングの有用なツールでもあります。企業理念や自社の価値をわかりやすくまとめてあるので、従業員のモチベーションアップにもつながります。
参考になるコンセプトムービー
コンセプトムービーを理解するには、実際の例を見てみるのが一番です。参考になる事例を3つ紹介します。
日本ヒューレット・パッカード株式会社
HPE(ヒューレット・パッカード エンタープライズ)の最新技術である「生体認証」のコンセプトムービーです。「常に未来を見据える」という企業理念をCGやBGMも効果的に活用しつつ映像化しています。
日常生活で生体認証が役立つ場面の紹介を軸に、「セキュリティと利便性の両立」や「誰もが安全に利用できる環境」など、企業が将来実現したい世界観が表現されているのが印象的です。情報量は多めですが、映像化によって2分弱の尺に収めることに成功しています。
https://www.humancentrix.com/works/casestudy-1911-018
日立製作所 チャットボット紹介動画
日立製作所のチャットボットのコンセプトムービーです。チャットボットという概念・テクノロジーの必要性が将来的に増加していくことを、CGアニメーションなどを用いた近未来的なトーンで的確に表現しています。
「多様な場面での業務効率化」「ワークライフバランスの改善」など、企業が実現したい世界観・価値観が2分程度の映像に凝縮されているのが特徴です。営業職である女性の1日をチャットボットが支援するというストーリー仕立ての構成により、メリットもわかりやすく伝わります。
https://www.humancentrix.com/works/casestudy-1811-001
JR東日本 採用情報ページ
JR東日本では、人材募集を目的として数多くのコンセプトムービーを公開中です。5分弱など、コンセプトムービーにしては長めの動画もありますが、ストーリー性を重視した演出と映像美で、視聴者を動画の世界観へと引き込みます。
強い使命感を持って、技術革新やグローバル化、鉄道の安全運航などの大きな課題に挑戦している現場の従業員のインタビューを通じて、共感効果を最大化することに成功しています。インターンに参加した学生の声を集めた動画では、ビジネスを超えた企業の社会的使命を未来に引き継ぎたいという想いが伝わってきます。
https://www.jreast.co.jp/recruit/movie/
制作のポイントと外注時の注意点
クオリティが重要になってくるコンセプトムービーについては、外注を検討するケースも多いでしょう。コンセプトムービーの制作を外注する際の注意点について解説します。
ターゲット層・ストーリーを念入りに相談する
まずは、ターゲットと目的を明確にしておきましょう。ペルソナを設定してターゲット層を絞り込み、さらに動画の公開によって何を達成したいかを念入りに検証しておく必要があります。外注時には、こうした相談や会議の場をきちんと設けてくれる制作会社を選ぶことが重要です。
ターゲット層が決まれば、おのずと共感されやすいストーリーやナレーションのトーンなどの方向性も定まります。自社視点での主張が強すぎると、独りよがりなものになってしまい、コンセプトムービーの効果が得られないどころか、かえって嫌悪感を抱かれてしまう恐れもあります。経験豊富な制作会社であれば、印象的でありながら共感も得られるなど、絶妙なバランス調整をサポートしてくれるでしょう。
BtoBでの動画制作実績を見る
企業のコンセプトムービーである以上、プロモーションというビジネス目的に沿った動画を制作する必要があります。単なるエンターテインメントとして動画を制作するのではないという点を理解している外注先を選ぶことも肝心です。
もっとも効率的な方法は、BtoBでの動画制作に関する実績が豊富な制作会社を選択することです。制作会社が公開している過去の制作実績や事例についてチェックしておきましょう。候補が複数ある場合は、自社業界での実績が豊富なところを優先するといいでしょう。
ヒューマンセントリックスへの依頼もおすすめ
ヒューマンセントリックス社では、IT企業をはじめ、多種多様な業界の企業向け動画を制作しています。コンセプトムービーをプロモーションという目的の基に制作する意識と技術が社内に定着しているため、外注先に迷った場合には、第一候補とすることをおすすめします。多くの制作事例をアーカイブして公式サイトで公開しており、これらは具体的なトーンやストーリーを相談するときの参考資料としても有用です。
同社では、クライアント企業の要望に寄り添い、最適な尺や情報量、ふさわしいトーンやストーリーを提案してくれます。制作前の打ち合わせも念入りに行い、ターゲットや目的の明確化、適切な表現方法についてもサポートされるので、コンセプトムービーを初めて制作する場合でも安心して任せられます。
まとめ
コンセプトムービーは、自社の企業理念やビジョン、商品に込めた想いなどを顧客に直感的に訴求できるツールです。動画マーケティング市場の拡大に伴い、企業動画への需要も今後さらに高まっていくと想定されます。短い尺で高度なメッセージ性を表現できるのが、コンセプトムービーの最大の魅力です。一度制作しておけば多目的に使用していける、という点も加味して、高い費用対効果が期待できます。
コンセプトムービーの制作を検討中であれば、信頼できる制作会社へ依頼しましょう。ヒューマンセントリックス社では、企業向け動画の豊富な経験を生かし、幅広い観点からクライアントの要望に沿った動画制作サポートしています。丁寧なヒアリングにも定評がありますので、発注先に迷っている場合には、第一候補として検討してみてはいかがでしょうか。
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