動画広告の種類と特徴 | 期待される効果について解説

 2021.04.06  2023.07.31

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近年では、企業のマーケティング活動において、「動画広告」を活用するケースが増えてきています。そこで本記事では、企業のWeb担当者もしくはマーケティング担当者の方向けに、動画広告の種類や特徴、期待される効果などについて解説します。自社のマーケティング活動に動画広告を導入しようと検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

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今後も伸び続ける「動画広告」の市場

インターネットやスマートフォンなどの普及により、誰もが気軽に動画を利用できる時代となりました。それに伴い、近年では動画広告の市場規模が急激に拡大しています。

株式会社サイバーエージェントが2020年12月に報告した調査結果によると、同年の動画広告市場は、前年比114%の2,954億円に達すると予想されています。さらに、この数字は2021年に3,889億円、2024年には6,856億円に増える見込みです。

また、この調査報告では、動画広告市場全体における需要の大部分(89%)を、PCではなくスマートフォンが占めていることも示されています。2020年におけるスマートフォン動画広告は、前年比114.8%もの需要増が見込まれています。

動画広告市場は今後もスマートフォン動画広告を中心に成長していくことが予想され、その市場規模は2024年時点で6,396億円にも達すると考えられます。ICTの成長と普及が一層加速していく中、企業の広告・マーケティング分野において動画広告市場の情勢は、今後ますます目が離せないものとなっていくでしょう。

動画広告の種類と特徴

一口に動画広告といっても、その形態にはいくつか種類があります。以下では、特に代表的な「インストリーム広告」「インバナー広告」「インリード広告」「インフィード広告」という4つの動画広告について、それぞれの特徴を解説します。

インストリーム広告

インストリーム広告とは、動画の再生途中やその前後に挿入される動画広告をいいます。「YouTubeの再生時に流れるテレビCMのような広告」といえば、思い当たる方も多いのではないでしょうか。

インストリーム広告の再生時間は、短いものでは十数秒、長いものでは数分と幅があります。大まかにいえば、動画広告の再生から数秒後、ユーザー側で任意に動画をスキップできるようになる「スキッパブル広告」では、数分に及ぶ長めの広告が大半です。一方、スキップできない「ノンスキッパブル広告」では、テレビCMと同じ十数秒程度の尺の広告が多いといえます。

インストリーム広告は、ユーザーが注視している動画コンテンツ内に表示されるため、ユーザーの目を確実に引くことが可能です。そのため、音や映像を織り交ぜた高度な演出によって、メッセージを送りたい場合に向いています。

インバナー広告

インバナー広告とは、Webサイトのバナー広告欄などに表示される動画広告です。たとえばYahoo!のホームページなどでも、インバナー広告を目にすることがあるでしょう。動画コンテンツ内に広告を埋め込むものではないため、動画ストリーミングサイトに限らず、さまざまなWebサイトで広告を行えるのが特徴です。

インバナー広告は、そのWebページを開くと同時に、メインコンテンツの外で自動的に再生が開始されます。デフォオルトでは音声がミュートになっているのもあるなど、インストリーム広告と比べるとユーザーに注目されにくいデメリットはあるものの、ユーザーの利用目的の邪魔をしないため、余計な悪印象を与えるリスクも減らせます。

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インリード広告

インリード広告とは、ニュース記事などのテキストコンテンツを読み進めてスクロールしていく中で、途中に挿入されている広告動画を指します。メインコンテンツを閲覧していく中で、自然と目に入ってくるものなので、同じアウトストリーミング広告のインバナー広告と比較しても、ユーザーの注目を引きやすい動画広告といえます。

類似する広告形式としては、後述のインフィード広告が挙げられます。主に静止画をフォーマットとするインフィード広告に対し、インリード広告では動画形式のみをフォーマットとします。しかし、前者は動画形式を含む場合もあるので、ときに同義のものとして扱われることもあります。インリード広告は特に、スマートフォン向けに動画広告を展開したい場合に効果を発揮します。

インフィード広告

インフィード広告とは、FacebookやTwitterのようなSNSなどのタイムラインに埋め込まれている広告です。ネット広告はユーザーにとって押しつけがましく感じられる場合も多くありますが、インフィード広告の場合は基本的に、掲載される画面の形式に沿って自動的に表示方法が調整されます。そのため、ページのコンテンツに溶け込みやすく、自然にアピールすることが可能です。

これらの特徴をさらに活かすためには、動画広告を掲載する媒体の性質をよく考え、それと共起性の高い広告を行うことが大切です。

動画広告の課金形態

動画広告の課金形態としては、「CPV」「CPM」「CPC」の3つが挙げられます。

1つ目のCPVは、動画広告が1回再生されるごとに課金が発生する課金形態です。ユーザーに何秒見てもらえたら再生回数としてカウントされるのかは、掲載する媒体ごとに異なります。基本的には、広告がスキップされた場合は課金が発生しないので、ユーザーにしっかり見てもらえた場合のみ課金が発生するという、費用対効果の高い形態です。動画広告が最後まで再生された場合のみ課金される、「CPCV」という派生形態もあります。

2つ目のCPMは、広告が1,000回表示されるたびに課金が発生する課金形態です。その性質上、ユーザーがスキップできない、短い再生時間の動画広告に向いています。多くの人に広告を見てもらいたい場合に適した課金形態ですが、その反面、広告効果の正確な評価がしづらいというデメリットも持っています。

3つ目のCPCは、動画広告が1回クリックされるたびに課金が発生する課金形態です。CPCは入札制で、広告と紐づけるキーワードや検索ボリュームに応じて、クリック単価が決定されます。それゆえ、競合の多い設定で動画広告を掲載する場合は、単価が高くなってしまうため、適切なキーワード設定が必要です。一方、広告の実際の効果を把握しやすいメリットがあるため、バナー広告やSNS広告などに適しています。

動画広告で期待される効果

ここまで動画広告の基本的な概要について解説してきました。では、企業は動画広告を掲載することで、一体どのような効果を期待できるのでしょうか。ここからは、動画広告によって期待される効果について解説していきます。

テキストより多くの情報を伝達可能

音楽や映像などを駆使した複雑な表現が可能な動画広告では、テキストだけの静止画広告よりも多くの情報を伝えることが可能です。そのため、商品やサービスなどの魅力を伝えやすい表現方法といえます。動画にテキストを付けることも当然可能なので、ユーザーを飽きさせることなく正確な情報を伝えたい場合にも適しています。

広告運用にかかる単価が比較的安い

動画広告は、広告運用に必要な単価が比較的安いことも魅力のひとつです。たとえば、先にご説明したCPV(CPCV)課金による広告を行えば、ユーザーが動画をある程度目にした場合のみ課金が発生するため、無駄な費用が発生しづらく、高いコストパフォーマンスが期待できます。

拡散効果が期待できる

特にTwitterなどのSNSで掲載されている広告動画は、ユーザーにより拡散されやすいという特徴を持ちます。ユーモアのある動画や、インパクトや共感性が高い動画など、ユーザーへの訴求性が高い動画広告の制作に成功すれば、世界的に注目を集めることすら夢ではありません。

動画広告の効果を最大限に活かすポイント

上記に挙げた例をはじめ、動画広告にはさまざまなメリットがありますが、その効果を最大限に引き出すためには、どのような点に注目すればよいのでしょうか。以下では、動画広告を運用するうえで押さえておきたいポイントについて解説します。

媒体ごとに特徴を理解

動画広告を効果的に運用するためには、まずペルソナ(PRしたいターゲット)が多く利用している媒体を分析することが大切です。そのうえで、掲載する媒体ごとの特性、たとえば動画の大きさや長さ、課金形態などをしっかりと把握し、それに合わせた動画を作成することが求められます。

このことは、動画広告の種類の選定においても同じことがいえます。短い動画で多くの人に対してキャッチ―なPRをしたいならインバナー広告、一人ひとりにしっかり見てもらいたいならインストリーム広告といった具合に、目的に合わせて使い分けましょう。

費用対効果を検証する

動画広告に必要な費用の多くは動画制作費であり、そしてその広告効果は当然、動画のクオリティにかかっています。ユーザーにしっかり広告を見てもらうためには、クオリティの高い動画を作ることが欠かせません。そうでなければ製作費が無駄になってしまいます。

また、動画広告による購買促進効果を直接的に計測するのが難しい場合もあります。広告の掲載前後で、販売サイトのアクセス数や売上などがどのように変化したかを調べ、しっかりと分析を行いましょう。

ユーザーに有益な情報になるようにする

動画広告は、それを見たユーザーに好印象を持ってもらえないと意味がありません。とりわけインストリーム広告の場合は、メインコンテンツを楽しんでいるユーザーの心証を損ねる恐れすらあります。動画広告のメリットとして「拡散性が高い」ことを先述しましたが、ともすればこれはリスクにもなり得ます。悪い意味で自社の動画広告が拡散されては目も当てられないでしょう。

それゆえ動画広告を制作する際は、独りよがりな内容にならないように注意しなければなりません。動画広告を見たユーザーが得をした気分になれるよう、エンターテインメント性や有益な情報を意識的に盛り込んでいくことが大切です。

まとめ

インターネット広告市場がテレビメディアの広告市場を追い越すほどの急成長を見せる中、動画広告市場もまた、さらなる発展が期待されています。それに伴い、各企業によるマーケティング競争の激化が予想されるでしょう。このマーケティング競争で勝ち抜くためには、競合他社に見劣りしない、自社ならではの魅力を動画広告でアピールすることが大切です。

50,000タイトル以上に及ぶ動画コンテンツを提供してきた実績とノウハウを持つ動画制作会社である株式会社ヒューマンセントリックスでは、上記で紹介したような動画広告のご相談も承っています。企業向けの動画制作に多く携わり、見る人に伝わりやすく高品質な動画を制作しています。ユーザーを惹きつける魅力的な動画広告を制作したい方は、株式会社ヒューマンセントリックスに相談されてみてはいかがでしょうか。

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